創業者紹介

リハビリ整体専門院 整体 やわらぎ

細川 裕司

Yuji Hosokawa

医師の指示が不要な整体院だからこそ
もっと多くの困った人を助けられるはず。
作業療法士の技術・知識・経験が差別化に。

細川 裕司

Yuji Hosokawa

大阪生まれ、奈良育ちの42歳。自らの病でのリハビリの経験から作業療法士に。病院や施設にて約15年勤務した後、山口に移住。デイサービスへの勤務を続けながら、長年の夢であった整体院を創業。
 
リハビリ整体専門院 整体 やわらぎ
創業:2016年6月
住所:柳井市南浜1-7-10
HP:http://seitai-yawaragi.com

19歳の時に骨肉腫を発症し半年をかけてリハビリした経験から、「自分も体に不調を抱えている人を助けたい」と作業療法士になることを決断した細川裕司さん。リハビリ専門学校で作業療法士の免許を取得後、病院や施設にて約15年間勤務。さまざまなリハビリ技術や知識を得た後、2016年6月、柳井にて「リハビリ整体専門院 整体 やわらぎ」を創業。創業を決めたきっかけや創業までの道のり、現在の状況などをお聞きしました。

リハビリの道に進もうと思った理由を教えてください。

19歳の時に、骨肉腫を発症しました。骨肉腫は、10~20歳代の若年者に発生することが多い悪性腫瘍(がん)で、骨にできる肉腫の4割程度を占めます。日本国内では1年間に150人くらいがこの病気にかかると言われています。その影響で左足が不自由になってしまい、約半年もの期間、とても過酷で辛いリハビリをすることになりました。その時にリハビリを担当してくださったスタッフのみなさんが、本当にいい方たちばかりで…。身体機能の回復はもちろんですが、心の支えにもなってくださいました。それで「自分も将来はこんな風に人を助けられる仕事に就きたい」とリハビリへの道に進むことを決意しました。

ご出身は他県とお聞きしましたが、なぜ山口県に来られたのですか?

大阪生まれの奈良育ちですね。骨肉腫のリハビリ終了後に、高知県にある土佐リハビリテーションカレッジに進学して作業療法士の免許を取得しました。卒業後は、高知の老人施設、そして奈良県立医科大学附属病院で勤務しました。付属病院では、リハビリに関する技術や知識をこれまでよりもさらに幅広く、さらに専門的に学ぶことができたのですが、病院という場所は、医師が病気やケガと診断して初めてリハビリが受けられるんですよね。だけど、世の中には足が痛い、腰が痛い、肩が痛い…と不調を抱えている人がたくさんいらっしゃいます。そんな現状を見ているうちに、だんだんと「できれば医師の診断というハードルをなくして、もっとたくさんの人を助けられれば…」と思うようになりました。そんな時に、友人が山口県で一緒に働かないかと声をかけてくれたんです。それがきっかけで、2006年に山口県に行くことになりました。

山口に来られてすぐに創業されたのですか?

いいえ。しばらくは、デイサービスや地域リハビリテーションで働いていました。病院に比べて患者さんとの距離が近かったので、とてもやりがいがありましたね。「いずれは自分で整体院を経営したい」という思いはずっと抱えていましたが、当初は「絶対に山口で創業するぞ!」という強い気持ちを持っていたわけではありませんでした。とりあえず、病院以外の場所で働いて、知識と経験を増やしたいという気持ちからでしたね。

なぜ柳井市で創業されたのですか?

看護師をしている妻の実家があるからです。「いつか自分の整体院をやりたい!」という夢は、妻も理解してくれていました。どのタイミングで始めようかと考えていたときに、義理の母から、「整体院をやるんだったら実家のプレハブを使ってもいいよ!」と言ってもらえまして。それをきっかけに、周囲の競合店舗数や価格帯などのリサーチを始めました。現在の場所は、人通りの多い通りには面してはいませんが、デイサービスを続けながら始めるのであれば、設備投資が少ないここが最適だろうと判断して、妻の実家の一角で創業をすることにしました。

資金調達はどのようにされたのですか?

妻の実家のプレハブを使わせてもらえることになったので、創業にかかった費用は、プレハブの改装費と施術に必要なベッドなどの備品くらいでしたね。なので、全て自己資金でまかなうことができました。創業資金はもちろんのこと、月々のランニングコストも抑えることができるので本当に助かりましたね。経営について学ぶために、柳井商工会議所が主催する全4回の創業塾にも参加しました。創業塾に参加したことで、お金の流れや事業計画書の作成の仕方など、創業・経営に関する基礎知識をたくさん得ることができました。商工会議所を通じてご紹介いただいた中小企業診断士の方がまたとても親切な方で、現在もほぼ毎月いろいろなことを相談させてもらっています。

創業されてからこれまで、経営状況はいかがですか?

現在は、15時までデイサービスで働いて、16時から20時まで整体院をオープンする、というサイクルです。将来的には整体院1本で!と思っていますが、まだまだこれからという感じですね。現在のお客さんは、ご近所の方とかたまたま前を通られて気づいた方がほとんどです。今まで、お店のPRにお金をかけた実績がほとんどないので、これからチャレンジしようと思っているところです。今後はチラシを配ったり、SNSで積極的に発信したりと、さらに集客に力を入れていこうと考えています

創業して良かったと思うことは何ですか?

良かったと思うことは3つありますね。まず一つ目は、自分のやりたいようにできるところです。医師の指示がなくても、困っている方を助けてあげられることができることが本当にうれしいですね。仕事帰りの50代の男性のお客さんが「助けて!」というくらいの勢いで駆け込んで来られたこともありました。「楽になりました。ありがとうございます」と言っていただけたときには、「ああ、やっぱり整体院をやって良かったな」と心から思いました。2つ目は、人とのつながりが圧倒的に増えたところでしょうか。お客さんとのつながりはもちろんですが、創業を機に柳井商工会議所の青年部にも所属することになって、そこでも地域の方々とのたくさんの出会いがありました。これは、病院や施設に勤めていたら、絶対になかったことだと思います。3つ目は、単純に山口が住みやすいってことでしょうか(笑)。

今後の目標を教えてください。

まずは経営を安定させて、整体院1本でやっていけるようになることですね。作業療法士の知識と技術、そして18年以上もリハビリの現場でさまざまな経験を重ねてきたことを最大限に活かして、さまざまな痛みで苦しんでおられる方々の症状を少しでも軽くしたいと思っています。そして一人でも多くの方を笑顔にしたいですね。しばらく先のことにはなると思いますが、いずれはもっとお客様さんの目につく場所に移転もしたいと思っています。また月に1回程度は、出張整体院として折りたたみベッドを持って、山口はもちろん、大阪や広島など全国各地のいろんなイベントにも参加させていただいています。今後は、その数をさらに増やしていければいいなと思っています。

現在創業をお考えの方にアドバイスをお願いします。

私もそうでしたが、創業や経営についての詳しい知識を持っていらっしゃる方のほうが少ないと思います。なので、地元の商工会議所や創業支援施設などでわからないことを相談したり、さまざまなアドバイスを求めたり、積極的に利用されることをおすすめしますね。「この資金でできるのか」「この計画でやっていけるのか」「もっと良い戦略はないのか」など、第三者の客観的な視点で見てもらうことは、とても大切だと思います。また、同じ夢や目標を持つ人たちとのつながりが生まれたり、あなたの創業を勇気づけてくれたりすることも、商工会議所や創業支援施設などを利用する大きな魅力の一つだと思いますね。