創業の基礎知識

起業は地域経済の活性化に重要

我が国の経済・社会構造の変化、及び、経営者の高齢化の進展に伴い、中小企業・小規模事業者の数は年々減少を続けています。これまで地域経済を支えてきた中小企業・小規模事業者が市場から退出することで、地域の活力が失われることが懸念されています。起業は、こうした状況において、新たな地域経済の担い手を創出するとともに、経済の活性化には欠かせないといえます。

起業の動機は?

中小企業白書(2014年版)によると、業種や職種、もしくはその時代の景気や社会状況などによって起業の動機は様々であるようです。
中小企業白書にも掲載された一般的な起業の動機を3つご紹介いたします。

仕事を通じて自己実現を図りたい

起業とは、個性のビジネス化・能力の付加価値形骸化とも呼べるでしょう。ご自身のアイディアの実現や、個性や能力の発揮をするために起業という選択をされる方はたくさんいらっしゃいます。

自分の裁量で仕事がしたい

「やりたいことはあるけど、組織に縛られたくない」経済的リスクを背負いつつも、自己責任で意思決定し活動する範囲を広げていけることに魅力を感じて起業に踏み切る方もいらっしゃいます。

年齢や性別に関係なく働くことができる

女性やシニア層では、昔の職務経験や趣味を通して培った技能を生かして起業する方が多くみられます。このように性別や年齢の枠に捉われずに、自分の裁量で働きたいと考える方には起業は魅力的だといえるかもしれません。

「会社員」と「経営者」、なにが違うの?

会社員は会社という組織に所属し、組織の決定方針に従って働くことで賃金を得ることができます。
一方で、経営者は、経営方針を自己責任で決めることができます。
経営者になると、経済的な不安定に対するプレッシャーと常に隣り合わせになりますが、自己裁量の範囲も大きいため、会社員に比べて非常に自由と感じられる方もいるでしょう。

リタイア後のシニア起業の留意点は?

著名な起業家の中には、在職中の知識・経験・技術や人脈を活かして、リタイア後にシニア起業を行う方が多くいらっしゃいます。
ただ、シニア起業は第2の人生を豊かにする一方で、若い方と違って失敗からの再チャレンジが難しいといった点もあります。
無理のない投資額で起業する、体力的に継続できる事業を選択する、事業の後継者を予め検討しておく、といった点に留意が必要です。

学生・主婦の起業の留意点は?

起業をする際に留意が必要なのは「起業する目的は何か」を明らかにすること。
起業することが目的になり、その後の事業継続を見据えないまま起業することはNGです。まずは起業の目的を明確にして掘り下げてみることをお勧めします。その際に、家族や友人、専門家の客観的な意見を聞いてみた方が良いでしょう。自分の強み・弱みは何かを明らかにしながら、事業計画書を作成してみましょう。

一人で考えず、複数の人とアイディアを磨いてみましょう

アイディアを考える際、つい一人で考え込みがちになってしまう人も多いかと思います。
そんなときは自分だけで頭を悩ませず、周囲の人にディスカッションしてみることが大事です。
そういった対話の中でご自身の考えが磨かれ、優れたアイディアが生まれる可能性が高くなります。商工団体や金融機関が行う起業塾などに参加して、アイディアを磨き上げていくことをお勧めします。

アイディアはたくさん出しましょう

1つのアイディアを詰めて考えることも大事ですが、まずは数多くのアイディアを出しましょう。
そのためには、思いっきり発想を拡散させることが大切です。
たとえば、日常生活でも常に興味を分散させて五感を養い、「こんなものがあったらいいな」といった「気づき」を探しましょう。

課題意識を持ちましょう

ご自身が進出される業界の問題点や弱みは何か、また、それを解決し克服するにはどうすればいいか。
そういった課題意識が、起業における大きなアイディアにつながります。課題意識を持ちながら、創業に向けて情報を集めておくことが重要になります。