創業者紹介

株式会社BRIDGE

二藤 正和

Masakazu Nifuji

クリエイティブの力で
地域の魅力を引き出し
山口県を元気にしたい

二藤 正和59years old

Masakazu Nifuji

岩国市出身。大学進学を機に東京へ。卒業後、一般企業や広告制作会社を経て、大手広告代理店に入社。コピーライター、クリエイティブ・ディレクターとして、広告の世界で30年間活躍。朝日広告賞や新聞広告賞、広告電通賞など、数々の広告賞を受賞。退職後、岩国市にUターン。2021年に株式会社BRIDGEを設立。東京コピーライターズクラブ会員、山口県デザイン協会会員。

株式会社BRIDGE
創業:2021年5月
住所:岩国市室の木町4-57-17
HP:https://bridge-work.jp/

大手広告代理店でコピーライター、エグゼクティブ・クリエイティブ・ディレクターとして活躍後、岩国市にUターンして株式会社BRIDGEを設立した二藤さん。JALやサッポロビールなどの大手企業をはじめ、岩国市のお土産ブランド「つまんでちょんまげ」や長門市の道の駅「センザキッチン」などのブランディングを手掛けてきました。これまで培ってきたクリエイティブの力を活かして地域に貢献していきたい。そう語る二藤さんに、創業のきっかけや現在の状況についてお聞きしました。(取材日:2022年11月15日)

これまでの経歴をお聞かせください。

生まれも育ちも岩国市です。東京の大学を卒業後、一般企業などを経た後、広告代理店に入社。これまで30年間、コピーライター、クリエイティブ・ディレクターとして、広告やプロモーション制作に携わり、マス広告からデジタルプロモーションまで幅広いスキルを身につけました。得意としているのは、コピーを軸にしたブランディング開発やコミュニケーション開発です。

創業のきっかけを教えてください。

広告代理店に勤めていたときに、企業広告やセールスプロモーションだけでなく、地方自治体の案件にも数多く携わらせていただきました。3年前には「岩国市のお土産の統一ブランドをつくる」というプロポーザル※に参加。ブランドのコンセプトワークやネーミング、パッケージデザインなどを提案し、採択していただきました。この仕事で地域の方々と触れ合ううちに、これまで培ってきたクリエイティブの知見やネットワークを活かして、地元に貢献していきたいという思いが膨らんでいき、独立することを決意しました。
※プロポーザルとは、地方自治体などが業務を委託する上で、複数の事業者から最も適した者を選定する方式

どうして岩国市で創業されたのですか?

地域に受け入れてもらうには、生活拠点を移さなければ本気度が伝わらないと思いました。また、岩国市でネットワークを広げていくためには、同級生が現役のときの方がよりスムーズにいくだろうという思いもありました。独立を決めるにあたっては、コロナ禍によりリモートワークが広がったことも大きく影響しました。不安ではありましたが、動かない方がその後のリスクが大きくなると思い、岩国市にUターンしました。そして2021年に、株式会社BRIDGEを立ち上げました。ちなみにBRIDGEという社名は、岩国を代表する錦帯橋から考えました。人と人、人とモノなど、さまざまな架け橋となり、地域に貢献していきたいという願いを込めて名づけました。

創業に向けてどのような準備をされましたか?

Uターンするにあたって、東京・有楽町にある「やまぐち暮らし東京支援センター」へ相談に行き、移住や創業に関するイベントやセミナー、補助金など、さまざまな情報を入手しました。東京暮らしが長かったので最初は不安でしたが、専門アドバイザーの方が親身になってサポートしてくださったので、非常に心強かったです。そのときに教えていただいた(公財)やまぐち産業振興財団 の「やまぐち創業補助金」にすぐに申請し、無事に助成を受けることができました。補助金は、自社ホームページの制作費、創業の準備に向けて東京と岩国を行き来した交通費などに活用させていただきました。

顧客獲得のためにどのようなことをされましたか?

岩国市役所や山口県庁などに出向き、ローカルでのネットワークづくりを進めていきました。岩国市のしごと交流・創業スペース「Class Biz.」でセミナーを開催したことがきっかけで、岩国市内のさまざまな企業や事業主、店主の方々とのつながりができて、そこから仕事に発展したものもあります。現在は、東京と山口の仕事が半々の割合なので、地元の同級生や中小企業診断士等に相談しながら、県内での仕事を増やすための営業活動を積極的に行っています。具体的には、山口県内の自治体の各種プロポーザルへの参加や、岩国市内の企業のブランディングなどに取り組んでいるところです。また、山口県デザイン協会に登録しているので、そこからクリエイター同士の関係性も深め、さまざまな地域課題の解決につなげていきたいと思っています。

創業時に不安だったことは何ですか?

やはり経営の面ですね。今まではクリエイティブ一筋でしたので、経理のことなどが全くわかっていませんでした。年間を通して経費がどのくらいかかるのか、そのためにはどのくらい売上をあげなければいけないのかなど。しかし、会計士さんなどに相談することで、そのあたりのことも、だいぶ習得することができました。

創業して良かったことは何ですか?

自由度が増したことです。営業を介さず、お客様と深くコミュニケーションがとれるようになったことで、相手のニーズや隠れた課題を見つけやすくなり、より良い提案ができるようになったと感じています。また、時間的にも精神的にも余裕ができたことで、発想がより自由になったように思います。

今後の目標についてお聞かせください。

これまで培ってきたクリエイティブのノウハウを活かして、山口県内の自治体や企業の魅力や強みを、新たなコンセプトワークやデザインで全国に発信し、地域活性化のお手伝いをしていきたいと思っています。また、将来的には、ビジネス開発や商品開発、交流拠点づくりといった、広告以外の仕事にも意欲的に取り組んでいきたいですね。

最後に、創業をお考えの方にアドバイスをお願いします。

仕事は人とのつながりから生まれるもの。ご縁がつながる秘訣は、感謝の気持ちを忘れないことだと思っています。日頃から人とのつきあいを大切にしておけば、何かのときに思い出してもらえて、そこから仕事に発展することがよくあります。これまで築いてきた人脈を大切にしながら、ぜひ創業への一歩を踏み出してください!