創業者紹介

田舎の保健室

西村 妙子

Taeko Nishimura

どんな健康レベルの人でも
自分らしく生きることを
支える場所をつくりたい。

西村 妙子44years old

Taeko Nishimura

防府市出身。看護師として20年間勤務。訪問看護の経験から、地域に入り込める看護の役割を模索。2018年4月に勤めていた病院を退職。2019年11月、病気や健康に関する悩みや心配事を相談できるカフェ「田舎の保健室」をオープン。地域の人々が住み慣れた場所で自分らしく生きていくためのサポートを行っている。
 
田舎の保健室
創業2019年11月
住所:防府市上右田10113-1

山口市で看護師として働いていた西村妙子さん。「地域の人々がいつまでも住み慣れた場所で自分らしく暮らせるサポートがしたい」という夢を叶えるため、20年間勤めていた病院を退職。2019年11月、誰でも気軽に健康相談ができるカフェをオープンされました。西村さんに創業されたきっかけやこれまでの道のり、今後の目標などをお伺いしました。

これまでの経緯を教えてください。 

山口市の医療機関で、看護師として20年間働いてきました。訪問看護の部署で働いていたときに、利用者さんがご自宅でイキイキと過ごされている姿がとても印象的で。住み慣れた環境に身を置いて、家族や親しい人と一緒に過ごすこと、利用者さんの想いや価値観を尊重することが、どれほど大切で人間らしいことなのかを痛感しました。また、とにかく話を聞いてもらいたいという利用者さんが多く、一人ひとりの心に寄り添える看護の重要性を感じていました。そうした経験から、より人々の暮らしに入り込める新しい看護の在り方を模索するようになりました。

どうして創業しようと思ったのですか?

看護師として、新しい形での健康サポートができないだろうかと考えていた頃、たまたま訪問看護の第一人者として知られる秋山正子さんの研修に参加する機会があり、そこで初めて「暮らしの保健室」の存在を知りました。「暮らしの保健室」は、病気や健康、介護など、生活のなかのちょっとした困りごとを気軽に相談できる場所。これなら、「病院に行くほどではないけれど誰かに相談したい」「家族の介護で困っているけれど、どこに相談すればいいのかわからない…」といった悩みを抱える人々の受け皿になれる。住み慣れた地域でずっと自分らしく暮らすサポートをするという、私がやりたい看護が実現できると確信しました。

創業までの道のりを教えてください。

当初は、母と一緒に地元で農家レストランをしながら「暮らしの保健室」をやろうと計画していました。でも、母が交通事故で亡くなったことで一旦白紙に…。一度はあきらめかけたのですが、友人からの後押しもあって、もう一度考えてみることにしました。そして、2018年4月に勤めていた病院を退職して起業準備を開始。秋山正子さんが手掛ける「暮らしの保健室」をお手本にしながら、地域に合った形を模索していきました。また、相談業務に活かす技術を身につけるために、さまざまな研修会や勉強会にも参加。2019年11月にオープンにこぎつけました。

創業のためにどんな準備をされましたか?

創業に関する知識が全くなかったので、防府市中小企業サポートセンター コネクト22に相談に行きました。担当者に事業の構想を話すと、ものすごく感銘を受けてくださって、より一層、事業内容に自信を持つことができました。事業計画書の書き方などの基礎的なことから丁寧に教えていただいたおかげで、漠然としていた計画がより具体的になりました。

創業資金はどのように準備されたのですか?

日本政策金融公庫から借入をして、建物や厨房機器購入などの費用に充てました。防府市中小企業サポートセンター コネクト22の担当者の方に、融資を受ける際の面接の攻略法までアドバイスしていただけたので、とても心強かったですね。また、2019年度からスタートした「やまぐち創業補助金」も活用させていただきました。思っていたよりも初期費用がかかってしまったので大変助かりました。

創業するにあたって苦労されたことは?

2019年5月オープンの予定で動いていたのですが、予定より半年遅れてオープンすることになってしまったことです。市街化調整区域のため建物を立てるための手続きに時間がかかったこと、設計は設計事務所、施工は工務店と別々に発注したため、意志の疎通やスケジュール調整がなかなかうまくいかなかったのが理由です。想定外の出来事が起こる可能性もあるので、ある程度余裕をもった計画にしておけば良かったと反省しています。

現在の状況はいかがですか?

雑誌や新聞に取り上げていただいた影響もあり、オープンして半年間は売上が右肩上がりでした。でも、2020年4月からはコロナの影響でお客様の数が激減。これからどうなるんだろう…と不安な日々が続きましたが、常連さんが定期的に通ってくださったおかげで、なんとか気力を保つことができました。最近は、ランチが20食以上出る日も増えてきました。その他にも、売上の一部を沖縄の医療機関に寄付する沖縄フェア、ナイトカフェなど、さまざまな企画を立てて集客アップを図っています。また、お客様からの持ち込み企画も多く、さまざまなシーンでご利用いただいています。

創業して良かったことは何ですか?

自分が目指す看護が実現できていることです。看護師としての経験を活かしながらじっくりと聞き、想いにとことん寄り添うことで、地域の人々の心と暮らしを支える。そこに大きなやりがいと地域ニーズの高さを感じています。また、応援してくださる方がたくさんいらっしゃることも、大きな励みになっています。草刈りを手伝ってくださったり、常連さんがイベントの宣伝ツールを自主的に作ってくださったり。地域の人々をサポートしたいと思って開いたカフェでしたが、逆に地域の人々に支えられているのだと気づかされました。

今後の目標を教えてください。

まずは、より多くのお客様に利用していただくことが目標です。新たにチャレンジしたいのは中小企業の健康経営のサポートです。病気の予防という観点から、20代〜40代の働き盛り世代の健康づくりのお役に立てればうれしいですね。もう一つ、取り組みたいのが文科省が推進する「がん教育」です。外部講師として学校に出向き、がんに対する正しい理解や命の大切さを伝えていきたいと思っています。今はコロナ禍で頓挫していますが、落ち着いたら「出張型暮らしの保健室」も再開したいですね。

創業をお考えの方にアドバイスをお願いします!

まずは、自分のやりたいことを公言することをおすすめします! そうすれば、いろいろな人から声がかかり、協力してくださる方が出てくると思います。でも、その反面、いろいろな意見が入ってくるため、明確な信念を持っていないと誤った選択をしてしまうことも…。なぜその事業をしたいのか、何のためにするのか、ブレない自分軸を定めておくことが大切だと思います。