創業者紹介

量り売り専門店F

藤本 美砂子

Misako Fujimoto

夢だった幅広い世代の
「健康のプロデュース」を
量り売り専門店で実現!

藤本 美砂子56years old

Misako Fujimoto

萩市出身。「もっとたくさんの人たちに健康になるためのアプローチをしたい」と、33年間続けた養護教員を辞職。その後、オーガニック食材や無添加の菓子を販売する「量り売り専門店 F」を創業。数々の資格を活かしながら体調や体質に合わせた食材を勧めることで、夢だった「健康のプロデュース」を実現している。
 
量り売り専門店F
創業:2018年8月
住所:宇部市西梶返3-11-8
HP:https://www.foodbulk-gift.com

地元の高校を出て看護系の学校で学んだのちに、33年間養護教員として働いていた藤本美砂子さんは、定年退職まで約5年を残して辞職。その後、「もっとたくさんの人の健康を支えたい」という夢を叶えるため、オーガニック食材や無添加の菓子を扱う「量り売り専門店F」を創業されました。量り売り専門店という業態を選んだ理由や、創業までの道のり、創業後の現状、今後の目標などをお伺いしました。

これまでの経歴を教えてください。

地元・萩市の高校から山口県立衛生看護学院に進学し、看護師、保健師、養護教諭の3つの資格を取得しました。それから33年間は、県内の小学校、中学校、高校、特別支援学校で子どもたちの健康管理、いわゆる保健室の先生をしていました。10年ぐらい前から、学校に在籍している子どもたちだけでなく、もっと多くの方々に保健指導や健康になっていただくためのアプローチをしたいと思うようになり、具体的に創業することを考えるようになりました。当初は、定年退職してからと思っていたのですが、それでは気力的にも体力的にも遅すぎると思うようになり、「やりたい気持ちがあるうちに方向転換しよう!」と創業を決意し、教員を辞職しました。

どうして「量り売り専門店」を選ばれたのですか?

健康に直結する「食」に関わる事業を検討していた時に、海外では量り売りが一般的であることを知りました。そして、日本ではあまり見かけない販売スタイルなので他店との差別化が図れ、しかも食品ロスの軽減につながって環境保全にも貢献できる…とひらめいたんです。それに、食生活アドバイザーの資格を活かして体質や体調に合わせた食材をオススメすれば、私がずっとやりたかった「健康のプロデュース」もできるのではと思いました。

創業に対するご家族の反応はいかがでしたか?

特に反対はありませんでした。自営業を営んでいる夫は創業に関するアドバイスをくれたり、日頃お世話になっている会計事務所や商工会議所の方を紹介してくれたりととても協力的でした。現在も時間があるときにはお店を手伝ってくれるので、本当に助かっています。

創業に向けてどのような準備をされましたか?

まずは、神奈川県で量り売りをやっているお店に話を聞きに行きました。右も左もわからない素人同然の私たちを、とても快く受け入れてくださっただけでなく、乾物・菓子をメインで扱っていること、管理をきちんとすることで在庫ロスは最小限に抑えられること、健康や美容に対して意識が高い方はリピーターになってくれやすいなどのリアルな情報や、食材の仕入れ先について教えてくださいました。そのおかげで、これなら山口でもやっていけそうだという自信が生まれました。

創業塾やセミナーには参加されましたか?

宇部市が主催する創業セミナーに参加しました。全部の講義を受講することはできませんでしたが、とても役に立ちました。そのほかは、下関市で開催された開業前セミナーに参加し、InstagramやFacebookなどのSNSを活用した情報発信などについて学びました。

創業に際して苦労したことはありますか?

当初は、近辺に量り売りをしている店舗がないため融資の判断が難しいと言われました。ですが、西中国信用金庫の担当の方が量り売りを理解するためにわざわざ神奈川県のお店まで視察に行ってくださり、「宇部でもできるだろう」と前向きに考えてくださいました。その後は「1日の来店者数は?」「客単価は?」「在庫数は?」「光熱費は?」…など細かく指導してくださいました。そのおかげで事業計画書が完成し、無事に審査を通過することができました。また、店舗を決める際にも通行量の調査にご協力いただくなど、西中国信用金庫の方々には本当にいろんなことを助けていただき、今でも大変感謝しています。

店舗はどのようにして見つけられたのですか?

温度や湿度などの日々の管理を負担なく行えるよう自宅周辺で店舗を探し、複数の候補先の中から交通量・通行量や災害時の影響などを考慮しながら絞り込んでいきました。ようやく見つけた現在の店舗は、自宅から徒歩20分の距離で人も車も十分な往来があり、まさに理想的でした。

創業前の準備で一番大変だったことは何ですか?

商品を入れる容器やピーナッツバターを作る機械は全てアメリカから輸入したのですが、西日本豪雨の影響で物流がストップし、オープンまでに届かなかったことです。結局、オープン日を2週間延期してどうにか対応しましたが、そのときはとても焦りましたね。特殊な機械を扱う時には、故障などのトラブルが起こった際の対処法についてあらかじめ考えておかなければならないことを勉強するいい機会になりました。

1年を振り返ってみて、何か反省はありますか?

オープンしてすぐに地元テレビ局の取材を受けたおかげで、想定以上の方々が来店してくださいました。量り売りという販売スタイルが珍しいこと、スーパーなどには置いていない商品を取り扱っていることが、たくさんの人々に関心を持っていただけた要因ではないかと思います。とてもありがたかったのですが、あまりにも多くのお客さんが来られたので買い方の説明だけで終わってしまい、本来の目的である健康のプロデュースをできなかったことはとても残念でしたね。その後もしばらくは順調でしたが、梅雨時期に思っていたよりも売上が落ちたときはとても不安になり、小売店の売上が季節や天候に左右されることを身をもって体験しました。クリスマスやバレンタインデーなどのイベントがある冬に売上の底上げを図るなど、季節を考慮した売上計画を作成する必要性を痛感しました。今年度は、昨年の経験を活かしていきたいです。あとは、思ったよりも西日が強くて、サンシェードを急遽設置することになってしまい、追加で費用がかかってしまったことです。店舗の下見に来た時点でも多少の西日は差していたのですが、季節によってこんなに違うものかと驚きました。実際に営業してみて初めてわかることがあるので、余裕を持った資金計画を立てることが重要だと学びました。

現在の状況はいかがですか?

おかげさまで、来店者数も売上も順調に伸びています。平均して、平日は20名前後、土日祝日は40名前後のお客様がお越しくださっています。オープン当初は約90種だった商品数も現在は約120種に増え、さらに品揃えが充実しています。また、容器を持参してくださった方には特典が受けられるポイントカードを導入するなど、少しでも満足していただけるように顧客満足度を上げる工夫もしています。

現在のワークライフバランスはいかがですか?

教員時代に比べると、休み自体は減っていますが、以前よりも充実感を味わえているので、特に不満はありません。欲をいえば、もっと売上が伸びるとさらに毎日が楽しめると思います(笑)。

今後の目標を教えてください。

もっと多くの方に「F」を知ってもらい、たくさんの方の健康をプロデュースすることが目標です。今後は、道の駅や空港などに商品を置かせていただいたり、物産展などに出品したりして、PR活動を積極的に展開していく予定です。また、ナッツやドライフルーツの新たな楽しみ方を提案できる商品の開発や、ギフト商品の拡充もやっていきたいですね。将来的には「健康に不安があるなら、とりあえずFに行ってみよう」と思ってもらえるお店になりたいです。

創業をお考えの方にアドバイスをお願いします。

商工会議所の方や金融機関の方などの専門家にしっかり相談すること、そして、しっかりとした事業計画書を作成することが大切だと思います。細かく計画を立てておけば、目標が明確になるだけでなく、現状の把握にも役立ちますよ!