創業者紹介

Gelateria Kurakichi

藤井 皓之

Hiroyuki Fujiii

「いつかは自分で商売したい」、
長年抱いていた夢を故郷で実現。
ジェラートで地域の「美味」を発信!

藤井 皓之31years old

Hiroyuki Fujiii

周南市生まれ。北海道の大学を卒業後、実家の藤井牧場を手伝いながら創業を目指し、家族でソフトクリーム店を立ち上げた後、念願の自分独自の事業としてジェラート店を創業。多店舗展開、新しい牧場づくりを目指して邁進中。
 
Gelateria Kurakichi
創業:2017年7月
住所:周南市銀座1-28
HP:http://kurakichigelato.jp

学生時代から創業を目指していた藤井皓之さんは、大学卒業を機に山口へUターン。家業の牧場を手伝いながらその夢を追いかけ始めました。3年が過ぎた頃、家族でソレーネ周南にソフトクリーム店をオープン。しかし、「もっと地域の農産物や特産品を使ったものを、より多くの人に味わってもらいたい」という思いが芽生え、新しくジェラート店を創業することを決意。そんな藤井さんに創業前の準備や現在の状況、これからの目標についてお聞きしました。

これまでの経歴と創業を決めた理由を教えてください。

広島県内の高校を卒業後、酪農を学ぶために北海道の大学へ進学しました。北海道の大学を選んだのは、高校生が抱きがちな「遠くへ行ってみたい!」という単純な発想からです(笑)。学部は「生物化学が好きだったから」という理由で選びました。将来的に、実家の牧場を継ぐことを考えて選択したわけではありません。でも、「いつかは自分で商売をやってみたい!」という思いは、その当時から持っていましたね。大学を卒業する前に、どこかに就職してから独立するのか、それとも卒業後すぐに独立するのかをじっくり考えようと、思い切って1年間ほど海外に行きました。学生でも社会人でもない立場でいられる環境で、真剣に自分に向き合いたかったんです。さまざまなものに触れ、経験を積みながら考えた末、就職ではないなという結論になりました。そこで卒業後は山口へ戻り、ひとまず父が経営する実家の藤井牧場を手伝うことにしました。まだ具体的な構想はありませんでしたけど、いずれは創業すると心に決めて山口での生活をスタートさせました。

なぜ、ジェラート店を創業しようと思われたのですか?

実家の牧場を手伝い始めてから3年、家族で道の駅ソレーネ周南にソフトクリーム店を出店しました。私と母には、前々から新たな加工品を作りたいという共通の夢があったので、それを実現させることができました。ただ、ソフトクリーム店をするうちに、もっと地域の農産物や特産品を使っていろんなことがしたいという新たな夢が見つかりました。フルーツを最もフレッシュな状態で使えて、香りや甘みなどの自然な美味しさをそのまま味わってもらうには、ジェラートが一番だろうと考えました。北海道にいた期間、アルバイトでイタリア料理店に数年いて、ジェラートの基本的な作り方は教えてもらっていました。またイタリアに行った際にも、調理に関する専門的な部分を学んでいたので、技術的にも問題はありませんでした。

創業前にはどのような準備をされましたか?

ジェラート店は、私個人にとっては初めての創業でした。ソフトクリーム店を出店したときは、母が主導でやったので私はほぼノータッチでした。なので、創業の手順などは全くわからない状態からのスタートでしたね。そこでまず、経営の基礎的な部分を知るために、しゅうなん創業カレッジを受講しました。事業のコンセプトワークからマーケティング、数字の考え方、事業計画書の作成までさまざまなノウハウを教えてもらいました。創業カレッジで学ぶのと並行して、徳山駅周辺でのテナント探しにも奔走しました。人通りを考えると、徳山駅の近くがいいなと思っていました。ただ、テナント料は想像していた通り高かったですね…。「立地は申し分ないけれど、テナント料が…」と悩んでいたところ、本当にありがたいことに「半分ずつ借りよう」と声をかけていただきました。それが、この店の奥側にプリクラがある理由です。

創業資金はどのように集められたのですか?

しゅうなん創業カレッジの修了証と作成した事業計画書、その他、もろもろの必要書類を揃えて徳山商工会議所からご紹介いただいた金融機関に行きました。プレゼンというより、事業計画書にある内容を一つひとつ説明させていただいた感じです。事業計画書は、わからないところが出てくる度にしゅうなん創業カレッジの講師に質問し、それに対して答えてもらうといったやり取りを何度も繰り返させていただいたので、しっかりと作り込むことができました。そのおかげで、特に問題なく借り入れをすることができましたね。あとは、周南市中心商店街テナントミックス推進事業による補助金と自己資金です。割合としては自己資金が4分の1、補助金が4分の1、残りが借り入れになります。

創業時の苦労や失敗について教えてください。

「成功!」と堂々と胸を張って言えるものがないので(笑)、そういう意味では細かな失敗をたくさんしているのかなと思います。苦労で言えば、店内の内装に関わるいろんなものを整える予算がどうしても出せなかったので、壁を自分で塗ったり、照明を取り付けたりなど、できそうなものは全て自分でやったことですかね。まあ苦労したというか、慣れない作業をやっていたので大変だったという感じです。でも作業中は割と楽しかったですね。心残りなのはオープン当時に集客に力を注ぐ余裕が全くなかったことです。なので、来てくださったお客様にいかに満足していただくか、という一点のみに注力していました。今思えば、もっと工夫することができたかなと思います。

創業後の集客数や売上など現状はいかがですか?

ほぼ、事業計画書に記載していた通りの数字です。欲を言えば、開店当初の売上はもうちょっと欲しかったですね(笑)。事業計画書と違っていたのは、早い段階でアルバイトスタッフが必要になったというところです。しばらくは一人でと思っていたのですが、意外に大変で…。現在は6人のアルバイトさんに助けてもらっています。基本的には、お客様の応対や会計などの接客を担当してもらっていますが、勤務期間の長いスタッフには、ミルクや素材を機械に入れてもらうというようなジェラートの製造補助もしてもらっています。

創業して良かったことはありますか?

やはりいろんなことを自分の権限で決められることでしょうか。もちろん、責任が自分一人に来るプレッシャーがないわけではないのですが、それでもやりたいことをやりたいようにできる喜びの方が何倍も上回っていますね。それに、自分の決めたことに対して責任があるということが、私にとってはすごく刺激になっていて、人生にハリができたような気がします。ライフワークバランスは、現時点では仕事が100%です。でもそれが楽しくてやっているので、全然苦ではありません。ですが、たまに休むことで、新たな発想がもっと生まれてくるのかなと思うことはありますね。まだ創業して2年ですから、これから時間をかけて自分のスタイルが確立されていくんじゃないでしょうか。

今後の目標を教えてください。

当面の目標は、より多くのお客様にお越しいただくことです。また、「働いて良かった」「もっとこうしたい!」とスタッフに思ってもらえるような、職場環境作りにも取り組んでいこうと思っています。また将来的には、現在のコンセプトを失わないように気をつけながら、複数の店舗展開にも挑戦してみたいですね。もう一つの目標は、のびのびと育てられている牛の姿が見られて自然にも触れられる、新しい牧場を作ることです。また、酪農とはちょっと離れてしまいますが、私がもともと山好きというのがあるので、山をもっと活用して、山の良さをもっとたくさんの人に知ってもらいたいという大きな夢も持っています。

現在創業をお考えの方にアドバイスをお願いします。

アドバイスできるほどの経験はありませんが、ただ言えることは、「頼れるものは何でも頼った方がいい」ということです。もちろん頼ってばかりではいけませんが。頼るという行為は決して甘えではないと私は思います。創業する、そして事業を継続させるためには、時にはプロの力や第三者からのアドバイスが必要です。それに、助けてもらったり、助けたりすることでより絆が深まったり、新しい関係性が築けたり、または新しい出会いが生まれたり…と人間関係も豊かになると私は感じています。何もかも抱え込んでしまってもうまくいくはずはないですから、必要なときは思い切って頼る決断も大事じゃないかなと思います。