創業者紹介

ULTRA C

笹下 剛志

Tsuyoshi Sasashita

趣味や特技を活かして
人と出会い、つながる場所。
幅広い世代が集うサロンにしたい。

笹下 剛志33years old

Tsuyoshi Sasashita

下関市出身。福岡のセレクトショップで7年間働いた後、下関に帰郷。実家が経営する下関の老舗エステサロン「COMPLEX」のマネジメントに携わりながら、2018年11月3日に「ULTRA C」をオープン。
 
ULTRA C
創業:2018年11月
住所:下関市生野町2-25-10 1F
営業時間/不定期
定休日/不定期

ビルの1階にある、一見して何のお店かわからない謎の空間。「目指すのは面白くてセクシーで人とのつながりが生まれる場所です!」と楽しそうに話すオーナーの笹下さんに、創業した理由や創業して良かったこと、これからの展開などについてお聞きしました。

創業するまでの道のりを教えてください。

高校を卒業後、福岡のセレクトショップで働き始めました。数年後には店長を任されるようになり、これなら何でもできるという手応えを感じていました。そのまま福岡にいても良かったのですが、将来のことを考えると、実家が経営するエステサロンを一緒に盛り上げていった方がいいのかなと考えるようになりました。それに、もともと美容にも興味がありました。外見が変わることで所作が変わったり、表情が明るくなったり…。ファッションにせよ、美容にせよ、外面から人の内面に触れていけるような仕事って面白いなと思っていたんです。そこで、25歳のときに下関に帰郷して、エステサロンを手伝うことにしました。

異業種への転身は不安ではありませんでしたか?

全くありませんでした。自分は何だってできると勘違いしていましたから(笑)。でも、いくら自分が福岡で成功したからといって、お客様がついてきてくださるわけではありません。今考えると恐ろしくなるぐらい甘く考えていました…。お店の看板、そして来てくださるお客様があってこその自分であることを痛感し、途端に鼻っ柱が折れました(笑)。そこから、必死で施術を学び、エステやメイクの資格を取得し、技術を磨いていきました。

どうして創業しようと思われたのですか?

3年前から部長としてエステサロンのマネジメントに携わるようになり、まだ何かできるという余力を感じていました。それに、単なるエステサロンからさらに間口を広げていきたいとも思っていました。うちのサロンは、いつも会話が飛び交い、賑やかな雰囲気なんです。ハーバリウムや占いなど、ユニークなイベントも定期的に開催しており、お客様同士がつながる場としても利用していただいています。「来店して良かったことは何ですか?」とアンケートをとると、「友達が増えたこと」と書かれる方も多く、エステサロンだけに終わらない魅力を感じていただいているようです。そこで、何屋かはよくわからないけれど、面白くて、セクシーで(笑)、人と人がつながる社交場をつくりたいという思いが、少しずつ膨らんでいきました。そして、以前から1階が空き店舗になっており、何かに活用したいと思っていたのも理由の一つですね。

どうして社交場をつくろうと思われたのですか?

下関に帰ってきたものの、遊ぶ所はそんなにないし、友達は市外に出て行ってしまったし、正直面白くないなと思っていました。でも、よく考えてみたら、福岡にいた頃も、友達ができるまでは楽しくありませんでした。結局のところ、どこにいても人とのつながりがなければ楽しくないことに気がついたんです。そこで、いろいろな世代の人が集まり、それぞれの価値観を共有しながら、つながりが広がっていく。そんなアナログな喜びが生まれる社交場をつくりたいなと思いました。それには、私自身が社交的なタイプではなかったことも影響しています。単純にこういう場所があったら、わざわざ外に出ていかなくてもたくさんの人に出会えるかなと。それに、下関って意外にすごい特技や趣味をもった人がたくさんいるのに、発信する力が弱いなとも感じていて…。下関に住む人やモノの素晴らしさを紹介できるスペースがあったらいいなと思いました。

店名の「ULTRA C(ウルトラシー)」にはどのような思いを込められたのですか?

「ULTRA C」は、昭和39年に開催された東京オリンピックで、体操の日本人選手が最高難易度の技を決めたときに使われた言葉です。そこからヒントを得て、趣味とか特技とか、その人なりの大ワザを披露する場にしていきたいとの願いを込めて店名にしました。それに、「COMPLEX」に所属する私が手掛けているのでウルトラコンプレックス、人とのつながりを大切にしたいのでウルトラコミュニケーションといった意味合いも兼ねています。

どんなお店なのですか?

ショップ兼ギャラリー、フリースペースとしてスタートしました。作品の展示と販売、作家さんとのコラボ商品や洋服の販売も行っています。何屋というカテゴリーに囚われず、自分がすごいと思ったモノや人を紹介していきたいと思っています。ここで、何かを披露したいという人が増えていってくれればうれしいですね。

創業するにあたってどんな準備をされましたか?

異業種に飛び込むにあたって分からないことだらけだったので、まずは下関商工会議所に相談に行きました。経営指導員の方がとても親切な方で、創業時に必要な手続きや公的な支援制度など、親身になって教えてくださいました。そこで、下関市創業支援事業というものを知りました。認定をとると、銀行から低金利で事業融資を受けられたり、家賃補助を受けられたりと、5年間いろいろな特典があるんです。そのおかげで店鋪の改修費の一部をまかなうことができました。

創業の準備で大変なことはありましたか?

大変だったというわけではありませんが、敢えて何もないスペースを作るのには、とても勇気が要りましたね。設置したのは、カウンターと水回りくらい。据え置きの什器も棚もない。店に展示するものや、そこに立つ人が目立つように、思い切って何もない空間に仕上げました。

創業して良かったことは何ですか?

インスタグラムのみでの告知というシークレットなオープンだったのですが、オープニングレセプションには多くの方に足を運んでいただき、とても驚きました。感謝してもしきれないくらいです。友達は少ない方だと思っていたのですが、知人が什器を作ってくれたり、疎遠だった友人が会いに来てくれたり、たくさんの人々に支えられていることを知り、人のありがたみや大切さに気づきました。32歳にしてさらに人が好きになりましたね(笑)。

創業して苦労したことは何ですか?

まだオープンしたばかりなので、どういった使い方をすればいいのか、模索している段階です。あまりイメージを固定したくはないですが、何屋かわからなければお客様がここに足を運ぶ理由もありません。クローズドではないけれどフルオープンでもない。そのあたりのバランスをとっていく難しさを感じています。そして、どうやって利益につなげていくのかが課題ですね。まずは周りに認知してもらう努力をしながら、徐々に地域に溶け込んでいきたいと思っています。

今後の展開や目標を教えてください。

下関には、あまり知られていないのにスゴい才能を持った人がたくさんいらっしゃいます。そういった方々の「ULTRA C」を紹介するスペースにしていきたいですね。世間的にみたら、全然大ワザじゃなくても構わないと思っています。例えば、地元の人の生い立ちから現在までのバイオグラフィーを紹介するとか。実は、僕自身も、まだ何か大きなワザを出せるんじゃないかと、密かに狙っています(笑)。また、世間的にあまり光が当たらないマイノリティーなもの、例えばマイナーなアニメや音楽などが好きな人が集まって、新しいカルチャーを生み出だしていけるといいなと思います。エステサロンと連動して、美容も切り口の一つとして打ち出したり、洋服のアイテムを増やしてセレクトショップとしても充実させたりと、やってみたいことはまだまだたくさんあります(笑)。「ULTRA C」をきっかけに、少しでも下関が活性化できればと思っています。

創業をお考えの方にアドバイスをお願いします。

大概のことは熱量で乗り切れるはずです。「周りに理解されなくてもやってやる!」くらいの情熱や思いきりが大事ではないでしょうか。そして、お客様から選ばれるためには、人間力も必要だと思います。どんな仕事であっても、その人の思い一つで良くも悪くもなってしまいます。付き合って気持ちのいい人、楽しそうな人のところに人は集まってくると思うので、自分自身も楽しみながら、目の前の人と真摯に向き合っていく姿勢を大切にしていくと、必ず道は開けてくると思いますよ。