創業者紹介

Midu-kitchen

影山 みづき

Miduki Kageyama

料理の基本の「き」を多くの人に伝えたい!
できないことを並べて諦めるのではなく、
できることから始めたからこそ今がある。

影山 みづき38years old

Miduki Kageyama

鹿児島県で生まれ、小学4年生から高校卒業までを宇部市で過ごす。関西の大学を卒業後、建築業界へ。結婚後、第1子の出産を機に取り組んだ料理への追求が高じて「食」に関わる仕事を手がけるように。2016年よりテレビレギュラー出演。2019年1月、初めてのキッチンスタジオ「Midu-kitchen」をオープン。
 
Midu-kitchen
創業:2013年1月
住所:周南市
HP:https://www.facebook.com/midukitchen/

第一子の出産を機に、「食」を強く意識するようになった影山みづきさん。ご家族に安心でおいしいものを食べさせたいとの一心で、独学で料理の勉強を始めました。育児サークルでお母さんたちに料理を教えたことをきっかけに、本格的に料理教室を開くことを決意します。2019年1月にキッチンスタジオ「Midu-kitchen」をオープンしたばかりの影山さんに、これまで歩んできた創業までの道のりと、創業してからの状況、今後の目標などについてお聞きしました。

これまでの経歴と料理を学び始めたきっかけをお聞かせください。

関西の大学の建築学科で学び、卒業後は建築業に従事しました。仕事が忙しかった独身時代は、あまり「食」に重きを置いていませんでしたが、第一子を出産して離乳食について考え始めるようになって、意識が大きく変わっていきました。食品表示ラベルの化学調味料や着色料、防腐剤などの記載を見て、「本当に食べさせても大丈夫なんだろうか…?」と疑問を抱くようになってきて…。そんなことを繰り返していたある時、「だったらいっそのこと、自分でイチから作ってしまおう!」と思い立って、独学で「食」に関する勉強をスタートさせました。出汁や調味料、パンなどに挑戦してみたところ、意外にも上手にできちゃって(笑)。思えば私の実家は母も祖母もとても「食」に気をつかう人たちで…、舌が覚えていたんでしょうね。自分でも気づかないうちに影響を受けていたんだと思います。

創業を決めた理由は何だったのですか?

どんどん料理にはまっていった頃、育児サークルでお母さんたちに教えてほしいと言われたんです。何となく始めたのですが、これが思いのほか楽しくて(笑)。小学校6年生のときの将来の夢が、「料理関係の職に就く。建築士になる」の二つだったことを思い出して、だんだんと「これは天職だ!」と思うようになりました。しかし、独学のままでは本格的に教えることはできないので、まだ子どもが小さかったのですが、料理学校に通うための資金を得るために建築業に復帰しました。そこからの2年間は、建築業で稼いだお金と夫の出資で料理学校に通うという生活を送りました。両立はとても大変でしたが、「料理を勉強してたくさんの人に伝えたい、還元したい」という思いで、ガムシャラに突っ走りましたね(笑)。

創業のためにどんな準備をされましたか?

まずは2年間しっかりと学んだ後、友人たちを相手にプレレッスンを開きました。そのときの反応がすごく良くて、大きな自信につながりました。また、当時山口県にはレシピを教える教室はあっても、「なぜそのレシピなのか?」「なぜその調理方法なのか?」など、理由づけまでしてくれる教室はあまりなかったように思います。ですから、自宅に帰って応用ができる!満足度が高いと言ってもらえたことで、「これならやっていける!」と確信しました。自宅での一人サロンだったこともあって、事業計画書は作りませんでしたが、「自己実現ノート」を作って、一年ごとの目標と将来の夢を綴っていましたね(笑)。

女性創業セミナーWITTYで学ばれたとお聞きしました。

実は2014年に、主人の仕事の都合で宇部から周南に引っ越しました。宇部では、予約がすぐにいっぱいになるほどの大盛況ぶりだったのですが、周南には全然知り合いもおらず、全くゼロからのスタートになりました。どうやって広めていこうかと考えたときに、企業に営業に行くことを思いつきました。宇部では企業からお声をかけていただいたこともあったので、大丈夫だろうと考えていたのですが、知名度がないと断られてしまって…。そのことがものすごく悔しくて、「絶対に企業から依頼されるようになってやる!」と強く思いました。それから知名度UPのためにSNSでの情報発信に力を入れるのと同時に、経営についてもきちんと学んでいかなければと考えるようになりました。しかし、これまで経営について学んだことがなかった私にとって、男性と一緒の本格的なセミナーは、少しハードルが高いなと感じていました。そんなときに、山口県と(公財)やまぐち産業振興財団が主催する「女性創業セミナーWITTY」の情報が目に入ってきました。「託児付き」というのが、参加の大きな決め手になりましたね。実は、申込み時に第二子の臨月を迎えていて…。受講開始の時は、まだ生後2ヶ月半でしたが、受け入れてくださって本当にありがたかったですね。

WITTYではどのようなことを学ばれましたか?

集客方法とか広報戦略とか資金繰り等々、とにかく経営に関することをひと通り学びました。そこで、やっと事業計画書の必要性に気づくことができました。実は、私の実家も主人の実家も商売をしており、ずっと事業計画書を作るべきと言われ続けていたのですが、自宅での一人サロンだったので、あまり必要性は感じていませんでした。今振り返ってみると、知らないって本当に恐ろしいことだと思いますね(笑)。WITTYで学んだことで特に役立ったのは、顧客となるターゲットを想定してマーケーティングをするという、ビジネスを行う上での超基礎的なことでした。恥ずかしながら、それまでは自分が良いと思った講座内容を展開していて、生徒のみなさんが本当に学びたいことは何なのかということを全く考えていませんでした。ニーズをきちんと分析したレッスンを展開するようになってからは、リピーターが驚くほど増えました。ニーズを把握することの大切さを痛感しましたね(笑)。

創業から6年が経ちますが、現状はいかがですか?

WITTYで学び終え、「いよいよ学んだことを生かそう!」と思っていた矢先、料理教室へのお問い合わせをいただいたり、企業からの依頼が入ったりするようになりました。SNSやブログで、学びの中で感じたことや気持ちの変化などを書いていたのをご覧になったり、教室を受講された方のSNSのやブログでの評価をご覧になられて、お電話をくださるケースが多かったですね。また、創業4年目に屋号を「みづき」の「台所」という「Midu-kichen」に変えたことも大きな理由かなと思います。それまではパッと聞いただけじゃ何の事業をやっているのかわからないと言われることが多かったんですね。現在は、テレビ番組の料理コーナーのレギュラーを担当させていただいたり、念願だったキッチンスタジオの運営をスタートさせたりなど、大きく成長することができました。ただ、本当の勝負はこれからだと思いますので、まだまだ気を抜かずに頑張りたいですね。

現在のワークライフバランスはいかがですか?

子どもと一緒にいる時間には、仕事をしないように心掛けています。私の中で理想とする順番は、子どもが小さい内は、1番目が育児、2番目が家事、3番目が仕事です。料理教室の運営やレシピの考案、経理などで、毎日忙しいですが、子どもが通園通学している時間や、就寝している時間をパズルのように組み合わせながら、仕事をこなしています。また、忙しい仕事の合間を縫って、今でも京都の料亭や福岡や広島などの料理教室での勉強も続けています。「いつまで学び続けるの?」と言われてしまいそうですが(笑)。まだ子どもが小さいので、県外に出かけるときも全て日帰りです。幼稚園のお迎えに間に合わないときは、主人に仕事を抜けてもらったり、友人にお願いしたりしています…。どちらの両親とも離れて暮らしていますので、友人のサポートは本当にありがたいですね。吸収したさまざまな知識は、多くの人に和食や発酵食の素晴らしさを伝えていくことで還元できればと思います。

創業して良かったことは何ですか?

私のレッスンや講座を受講された生徒さんから、「家族からおいしかったと言ってもらえました!」「今まで食べなかったものを子どもが食べました!」「主人の健康診断の結果がよくなりました!」というような報告があったときは嬉しくなります。泣きながら来られるくらい料理に悩まれていた方から、「苦痛が軽減されました」「少し楽しくなってきました」「自分でレパートリーを考えられるようになりました」と言われたときは、この仕事をやっていて本当に良かったなと思いましたね。食の基本を身につけると、毎日の料理がラクに美味しくできるということが、少しずつ伝わっていっているのを実感しています。

今後の目標を教えてください。

2019年1月にキッチンスタジオでの料理教室がスタートしました。自宅レッスンとは違い、かなりの人数が入れますので、その大きさを生かして少しでも多くの方に発酵食と和食の良さを生で伝えていきたいです。そして今まさに準備中なのですが、動画での通信講座の開講を計画しています。料理することを苦痛に感じていらっしゃった生徒さまから、「レッスンを受けて人生が変わりました。こんなに楽になるんだから、もっとたくさんの人に伝えていってほしい」と言われたことがきっかけです。基本を知るだけで毎日の料理が楽しくなって、しかも健康になるということを、悩んでいるお母さんや主婦の方、みんなに知ってもらえるいいチャンスだなと思って。今からプログラムを練ってキッチンスタジオで撮影をして…と。開講はまだもう少し先のことですが、この動画での全国展開を楽しんでいこうと思っています。また、近いうちに本の出版もできればと思っています。

現在創業をお考えの方にアドバイスをお願いします。

創業に関する書籍やインターネットには「大きくビジョンを持て」というような言葉がよく綴られています。確かに、10年後はこうなりたい、20年後はこれを達成したいという風に先のことを考えるのは大事です。ただし、あまりにも大きく描き過ぎてしまうと、「こんな夢、私には無理だ…」と初めの一歩がなかなか踏み出せなくなってしまいます。実際、私自身がそうでした。けれど、自分にできる一歩先のことを目標に掲げ、それを一つひとつクリアしていけば結局は夢に行き着きます。特に女性の場合は、家庭があるから動けないとか、専業主婦だから資金がないとか、できない理由がいっぱい挙がってくると思います。でもそんな状況の中でもできることを見つけていけば、意外とやっていけるものです。まずは小さな夢でもいいと思いますよ。何をするにしても努力の積み重ねだと思います。勇気を出して一歩踏み出してみることをおすすめします。