創業者紹介

STUDIO TRAP MOOD

長沼 果肖

Minori Naganuma

何度もくじけそうになりながらも
夢だったダンススタジオを創業。
体が動く限りダンスを教え続けたい。

長沼 果肖42years old

Minori Naganuma

宇部市出身。地元の高校を出て短大の保育学科に進み、保育士の免許を取得。卒業後は保育士として働く予定だったが、幼い頃から続けていたダンスが諦められず、内定を辞退して上京。3年半東京でダンスをした後、Uターン。地元企業で働きながらダンスを続け、友人の経営するスタジオで約12年講師を務めた後、2019年6月に自身のスタジオ「STUDIO TRAP MOOD」を創業。
 
STUDIO TRAP MOOD
創業:2019年6月
住所:山口市阿知須4385-5
HP:https://www.trapmood808.com

地元の高校を卒業後、県内にある短大の保育学科に進んだ長沼果肖さん。子どもの頃からのダンサーになりたいという夢をどうしても諦めることができず、決まっていた保育園への就職を取り止め上京。しかし3年半を過ぎた頃、体調を崩しやむなく山口県にUターン。しばらくは、ダンスとは全く関係のない地元の企業で働いていましたが、知人にダンスの指導を頼まれたことを機に再びダンスの道を歩き出すことに。それから公民館や友人のダンススタジオでの講師を経て、2019年6月に念願だったダンススタジオ「STUDIO TRAP MOOD」を創業。夢を実現した長沼さんに、創業までの迷いや苦労、現在の状況、今後の目標などをお聞きしました。

これまでの経歴を教えてください。

地元の高校を卒業して、山口県内にある短大の保育学科に進学しました。保育士の資格を取得し、卒業後に勤める保育園も決まっていたのですが、小さい頃からダンサーになりたいという夢がどうしても諦められなくて…。「後悔はしたくない!」と保育園の内定を辞退し、ダンサーを目指して上京しましたが、体調を崩してしまって3年半でUターンせざるをえなくなってしまいました。それからしばらくは、地元の企業で働いていたのですが、母の知り合いにダンスを教えて欲しいと言われたのをきっかけに地域の公民館などで教えるようになり、再びダンスの道を歩き始めることになりました。その後、ずっと昔から一緒にダンスをしてきた友だちが経営するダンススタジオで、約12年間、インストラクターを務めながら、avexが認定するインストラクター「ダンスマスター」の資格を取得しました。

なぜ自分のスタジオを創業しようと思われたんですか?

一番の理由は、自分がやりたいようにできる場所が欲しくなったことです。再びダンスの世界に連れ戻してくれ、改めてダンスの楽しさや面白さを味わせてくれた友人には感謝しかありませんが、次第に「もっとこうしたい!」という欲が出てきて…。自分のスタジオを持つことがベストなのではと思うようになっていきました。あとは、教えている生徒たちから「先生がスタジオを開いたら絶対に行きたい!」と言ってもらえたことも大きな理由の一つです。それに加えて、「○○に所属している講師」ではなく、経営者として自分の足で立ちたいという思いもありました。

どんなタイミングで創業することを決められたんですか?

決意したのは出産を終えてからです。普通だったら出産後は一番バタバタしていて創業どころじゃないですよね。けれど私の場合は、女性だから無理だろうとか、お母さんなんだから家事と子育てに専念するべきだとか、そう思って諦めようとすればするほど創業したいという思いが強くなってしまって…(笑)。なので、とりあえず自分の気持ちを落ち着かせるために、「どうやったら創業できるのかだけは知っておこう!」と、山口商工会議所が主催する創業塾に行ってみました。そこで経営理念や将来のビジョン、数字について学び、最終的には自分で作った事業計画書を持ってみんなの前でプレゼンを行いました。その際に、私の事業計画に興味を持ってくださった金融機関の方からお声をかけていただいたんです。その時、「私のこんな拙い事業計画にも将来性を感じてくださる方がいるんだ!」と思い、そこから一気に創業する気持ちが固まりました。

創業の準備で一番苦労されたことは何ですか?

金融機関に提出する事業計画書を作るのに一番苦労しました。金融機関の担当の方が、「前のスタジオでは生徒さん何人くらいいたの?」「月謝はどのくらい?」「だったらこれくらいの売り上げがないと運営できないよね!」など、本当に細かい部分まで、一つひとつチェックしてくださいました。そのおかげで、日本政策金融公庫萩山口信用金庫の2つの金融機関から融資を受けることができました。この手厚いサポートがなかったら、きっと創業できていなかったと思いますね。借入金と多少の自己資金を創業資金とし、そのほとんどをスタジオの改装費に使いました。壁に色を塗ったり、ダンス用のフロアにしたり、スタジオの壁に何枚も鏡を貼ったり、防音のための工事をしたりと、満足のいくものに作り込んでいくためにはかなりの金額が必要でした。でもそのおかげで、自主イベントが開催できる環境を整えることができたので、これからは、いろいろなことにチャレンジしていこうと思っています。

創業してまだ間もないですが、現状はいかがですか?

以前に教えていた生徒が来てくれたり、ダンスを辞めていた子がまた始めてくれたりするなど、ほぼ口コミだけで、現在70名以上が通ってくれています。また嬉しいことに、「ここでダンスを教えたい」と集まってくれたインストラクターも7名います。自分としては、これ以上ない良いスタートが切れたのではないかと思っています。

現在のワークライフバランスはいかがですか?

毎日3〜4本のレッスンをしてから帰宅し、家事や子どもの世話を済ませ、それから事務作業をしています。起業する前は、自分の好きなようにやれる環境が整えられるので、もっと自分のペースでできると思っていたのですが…。想像していたよりもかなり大変です(笑)。なので、できるだけ早く事務スタッフを雇えるように、もっともっと生徒数を増やしていきたいですね!

創業して良かったことは何ですか?

自分のやりたいようにできていることが何よりの幸せです。その分、大変なこともたくさんありますが、全て納得した上のことなので、精神的には随分と楽になりました。そして、スタジオ講師時代に「どうしてこうしないんだろう?」と疑問に思っていたことに対して、「やりたくても現実的に難しかったんだ」ということが理解できるようになり、当時は気づけなかった経営者の苦労も、少しずつですがわかるようになってきました。また、創業したことで視野が広がり、以前よりも考え方が柔軟になって、人間的にも少し成長できたように感じています。そして、夫との信頼関係もより強くなったように思います。くじけそうになった時に、「諦めるな! 頑張れ!」と励まし心を奮い立たせてくれる、とても心強い存在です!

今後の目標を教えてください。

ダンスのスキルアップはもちろんのこと、人間として必要な、礼儀やマナーを身につけられるダンススタジオにしていきたいですね。「ダンスさえ上手ければそれでいい」という人間にはなって欲しくないんです。それに、きちんと挨拶できる子どもの方がダンスの上達が早いように思います。きっと、素直な心が指導をまっすぐに受け入れているからなんでしょうね。また将来的には、山口県内のいろいろなスタジオと良い関係性を作って、有名アーティストを招いた大きなイベントを一緒に開催するという夢もあります。そしてゆくゆくは、多店舗展開やエリア拡大を図っていければと思っています。そして、教え子たちが講師となって戻ってきてくれることを楽しみに、一人でも多くの生徒にダンスを教えていきたいですね!

創業をお考えの方にアドバイスをお願いします。

経営に関する数字と用語について知識を深めておくことをおススメします。創業塾に通い立ての頃は、話している内容が全然わからなくて拒否反応が出てしまいそうでした(笑)。事前に知っておくことで、理解するスピードが高まり、創業にもっと前向きになれると思います。その他には、お付き合いする金融機関を選ぶ際に、内容だけでなく、担当者との相性もよく確かめた方がいいと思います。どこまで親身になってくださるかで、自分のモチベーションも全然変わってきますから。私は本当に素晴らしい方々に出会えたので、今こうしてスタジオを経営することができています。皆さんも素敵なパートナーを見つけて、どうか夢を叶えてください!