創業者紹介

ARCHIVECT

西村 友宏

Tomohiro Nishimura

人とのつながりを大切にしながら
アクティブに行動して成長し続けたい

西村 友宏40years old

Tomohiro Nishimura

山口県下関市生まれ。専門学校を卒業後、バンド活動と並行してホームページ制作などのアルバイトを経験する。福岡の音響会社への就職を経て、平成29年4月、地元である下関にて制作会社「ARCHIVECT」を創業。
 
ARCHIVECT(アーチヴェクト)
創業:2017年4月
住所:下関市宝町8-15-201
HP:https://archivect.com/

これまでの経験を活かして、音響のオペレートやWebサイトの制作、ネットショップの運営など、さまざまな事業を展開している西村さん。「ARCHIVECT」創業までのいきさつや苦労したことなどについてお聞きしました。

創業されるまでは何をされていたのですか。

小さい頃からパソコンに触るのが好きだったので、将来はパソコン関係の仕事に就きたいと考えていました。でも、高校生になってギターを弾き始めたのをきっかけに、音楽の道に進みたいという気持ちが強くなってきて…。親を説得して福岡にある音楽関係の専門学校に通い始めました。その頃から、バンド活動を始め、バンドのホームページを制作したり、ライブ動画の編集をしたりしていましたね。専門学校卒業後は、バンド活動を続けながらアルバイトをして、なんとか食いつないでいました。そして25歳のときに、知人の誘いで音響のアルバイトを始めました。これなら、好きな音楽に一生関わっていけると思いましたね。音響の仕事は土日祝日に、それと並行して平日昼間は飲食のアルバイト、夜はWebの仕事をしていました。当時は、朝から晩まで本当に忙しかったんですけど、経済的にはきつかったですね。6〜7年が経ったころ、音響会社の正社員に登用されたのですが、次第に独立したいという思いが強くなっていき、33歳のときに思い切って「ARCHIVECT」を創業しました。ありがたいことに独立前の会社から、いくつか仕事をもらえることが確定していたので、スムーズにスタートを切ることができました。

ARCHIVECTは、どんな会社なのですか?

ブライダルを中心とした各種イベントでの音響オペレートをはじめ、ホームページ制作、ブライダルムービーや企業PR用の映像制作を行っています。また、Amazon内で中古本の販売もしています。仕事の割合は、ネットショップが約1割で、残りが音響とWebで半々といったところです。屋号のARCHIVECT(アーチヴェクト)とは、英語のACHIEVE(結果を出す)とACT(行動する)を組み合わせた造語です。たくさん行動して結果を出すという決意を込めました。

どうして複数の事業を展開されているのですか?

周りからは「いろいろなことに手を広げすぎじゃない?」とよく言われますね(笑)でも、今日は音響、明日はWebというように、毎日の仕事内容に変化があることで、いい気分転換になっています。ほとんど休みはありませんが、毎日がとても充実していますね。変化を好む自分の性格には、このスタイルはピッタリだと思います(笑)。また、複数の事業を展開することは、それぞれを組み合わせた事業の広がりが期待できるのはもちろんのこと、万が一ひとつの事業が不振になった場合でも、違う事業でカバーできるという、経営面から考えてもさまざまなメリットがあると思います。

どうして下関で創業されたのですか?

やはり自分が生まれ育った町には愛着があります。地域をよく知っているという安心感もあるので、地元で創業することにしました。それに、福岡なら仕事の量は多いけれど、同じような仕事をしている人もたくさんいるので、埋もれてしまう可能性が高い。その点、下関なら、競合する会社が少ないので、目立ちやすいのかなと考えました。

創業する際にどんな準備をされましたか?

まずは人脈をつくることが大事だと思ったので、知人を通じて下関の異業種交流会に参加しました。毎月参加するうちに、情報を交換したり、飲みに出掛けたり、仕事を紹介してもらったりと、人とのつながりが増えていきました。自分とは違う業界の人と話すことで、さまざまなビジネスのヒントを得ることもできました。確実に自分の世界が広がっているのを感じましたね。パソコンやソフトは以前から使っていたものを、仕事場は自宅の一室に設けたので、創業する際に新しく準備したものはありませんでした。全て自己資金でスタートしたのですが、その後、人件費などの運転資金を、日本政策金融公庫から融資を受けました。

創業に関わるセミナーなどには参加されましたか?

創業して半年が経ったころ、下関商工会議所が主催する「創業塾」を受講しました。軽い気持ちで参加したのですが、創業計画書を作っていくうちに、将来どんな会社にしたいのか、何をしたいのかなど、やるべきことや方向性がクリアになっていきました。資金計画についても、なんとなくしか分かっていない部分が多かったので、何にどれだけの経費がかかっているのか、どれだけの収入を得ているのかなど、客観的に見直すことができたのは大きかったですね。参加して本当に良かったと思いました。実は、昨年に引き続いて今年も参加したんですが、昨年よりも講師の先生の一言ひとことが身にしみて理解できました。また、創業という同じ目的をもつたくさんの仲間とのつながりができたことも大きな収穫でした。

事業はスムーズに進んでいますか?

創業して間もない頃は、苦しいときもありましたが、アルバイトを4名雇えるまでに会社を大きくすることができました。おかげさまで、仕事が途切れることもなく、順調に経営をすることができています。仕事はもちろんのこと、それ以外のつながりが広がったことで、新しい仕事も少しずつですが増えていっています。

創業して良かったことはありますか?

好きなときに好きなように仕事ができることですね。でも、責任は全て自分にかかってくるし、なかなか休めないのが現実ですが(笑)。なんだかんだで大変ではありますが、やっていて楽しいですし、充実した毎日を過ごしています。事業が拡大していくのを実感できるのは独立して事業主になっただからこそ。会社員という立場だったら、おそらくこの感覚は味わえなかったと思います。

創業後、苦労したことはありますか?

最初の半年間は、音響の仕事もWebの仕事も事務処理も全て1人でこなしていたのですが、次第に仕事が忙しくなって、求人をすることにしました。でも、やっと見つかった人がいたものの辞めてしまって…。それまでに費やされた人件費が無駄になってしまいました。日々の仕事をこなしながら、アルバイトへの教育や精神的なフォロー、給料や保険などの手続きもしなければいけない。雇う側になって初めて人を雇用することの大変さや難しさを感じました。それに、毎月決められた日に給料がもらえるのって、実はすごいことだったんだな、と。これまでにお世話になった方々への感謝の気持ちが強くなりました。

今後の目標を教えてください。

音響に関しては、新規開拓のために新しい結婚式場に営業をかけようとしているところです。これまで培ったスキルを組み合わせて、新しいサービスを提案していきたいとも考えています。例えば、新郎新婦専用のホームページを作り、招待状が送れたり、席次表が作れたり、フォトギャラリーや動画をのせてゲストと共有できたりといったサービスをパッケージで展開していけたらいいなと考えています。そして、できるだけ早く法人格を取得するのが目標です。個人事業主でもこれだけ頑張れるんだということを証明するために、地道に収益を上げていきたいですね。

現在創業をお考えの方にアドバイスをお願いします。

将来、何がどうつながるのかは分かりません。自分が出会うこと、人、全てが将来につながっていると考えてはどうでしょうか。誰かに言われた何気ない一言が、事業のヒントになることもあります。外に出て人に出会い、自分はこうなりたいと意識し、発信し続けること。そうすることで確実に夢に近づいていけるはずです。いろいろ事情はあるかと思いますが、思ったときがやりどきです。やらずに後悔するより、やって後悔した方がいい。これまで出会ったご縁を大切にしながら、ぜひ一歩踏み出してみてください!