創業者紹介

おそうじ本舗 周南久米店

藤森 大輔

Daisuke Fujimori

指導する側でなく自ら挑戦したいと
19年以上勤めた会社を退職。
自分を育ててくれた「掃除」を事業に!

藤森 大輔51years old

Daisuke Fujimori

石川県金沢市出身。新潟県の大学を卒業後、イエローハット本部に入社。営業職、スーパーバイザーを経て入社19年と10ヵ月で退職した後に、奥様の地元である周南市にて「おそうじ本舗 周南久米店」を創業。
 
おそうじ本舗 周南久米店
創業:2016年10月
住所:周南市久米324-97
HP:http://syuunann-goshigoshi.com

大学卒業後、イエローハット本部に就職し、店舗営業やフランチャイズ店の経営指導をしていた藤森大輔さん。自らの手で何かをやりたいと、19年以上勤めた会社を退職。そして、次なるステージに選んだのは、全国でフランチャイズ展開をする「おそうじ本舗」への加盟でした。会社員時代の自分を大きく育ててくれた掃除で社会に貢献しようと、日々、お客様のお宅で「想像以上の美しさ」を目指し徹底した掃除に打ち込んでいます。創業前の準備や苦労、創業してからの喜びや悩みなどについてお聞きしました。

創業に至るまでの経歴を教えてください。

出身は石川県金沢市です。新潟県の大学を卒業後、イエローハットの本部に就職しました。営業として10年間いろいろな経験を積んだ後、フランチャイズの店舗を指導するスーパーバイザーを9年ほど務めました。店舗への指導をしているうちに、だんだんと自分で何かをやりたいという思いが大きくなってきて42歳で退職しました。退職した時点では、何をするのかが白紙の状態でした。「手に職を持たない自分でもできることは何だろうか?」と色々と探しているうちに、「おそうじ本舗」の存在を知りました。実はイエローハットの創業者の影響で以前から掃除に興味がありました。創業者の鍵山秀三郎さんは毎朝5時くらいから欠かさず自分の会社の前だけでなく、幅300mほどの範囲を掃除されます。その姿を見て感銘を受け、私も日々トレイ掃除などに取り組みながら、汚れを磨くことの尊さ、効率を考えて工夫することなど、掃除を通じてさまざまなことを学んだんです。そして、「自分を育ててくれた掃除で社会に貢献したい」という思いを抱いていました。妻の弟から「おそうじ本舗」を過去にやっていた人を紹介してもらい、いろんなお話を聞かせていただきました。それで、「あ、私でもできるんじゃないかな?」と思えたのが創業の決め手でした。創業地に特にこだわりはありませんでした。周南市を選んだのは、妻の実家が近いというのが理由ですね。

創業のためにどんな準備をされましたか?

まず初めに、「おそうじ本舗」の本部が大阪で開催する説明会に参加しました。そこできっかけづくりをした後、今度は山口に来られる機会があるというので、そこでもう一度お話をさせていただきました。そこでは、売上とか経費とか具体的な参考例をもとにディープな話をしましたね。参考例よりもっと売り上げている店舗が身近にあるという話を聞き、実際にその店舗に話を聞きに行ったこともあります。山口県は高齢化が進んでいて、高いところに手が届かなかったり、足元の掃除が大変だという要望が非常に多いこともわかり、「これなら周南でもやっていけるだろう」と思いました。創業してすぐに、創業者として何をしていくべきかを学ぶために、徳山商工会議所で開催される創業セミナーにも参加しました。

創業セミナーではどのようなことを学びましたか?

自分の強みとか弱みを明確にする作業が非常に役に立ちました。大手業者や個人で経営されている方と戦っていくための中で、自分の武器強みって何だろうと必死に考えました。結果的にわかった自分の強みは「お客様に対する熱意でした」。ここでいう熱意というのは、特に仕事の完成度に対してのことです。いつも心がけていることは、お客様の想像を超えるレベルにまでキレイにすること。毎回そのレベルをクリアできるよう従業員にも徹底しています。前職で店舗や店長に指導を行うスーパーバイザーをやっておりましたので、売上や経費など資金繰りについての知識はすでにありました。なので、お金については補足的に学ばせていただきました。創業資金は全て自己資金です。掃除用の機材や液剤の購入や移動用の車と、必要最低限なものを揃えました。

創業してから大変だったことはありますか?

お客様に、いかに気を遣わせないように配慮をするのが大変でしたね。お話し好きな方もいらっしゃれば、黙々と作業だけをやってほしい方もいらっしゃいますので。その見極めは今でも難しいですね。また、お客様は技術面はもちろんのこと、信頼できるかどうか、清潔かどうか、親しみやすいかどうかなど、人間性についてもしっかりと見ておられますので、そういった部分にも細心の注意を払うように気をつけています。技術的な面でいうとエアコンの掃除はやっぱり大変です。一軒一軒、設置されているものが異なるので、事前の予習やシミュレーションは欠かせません。本部から支給されているiPadの中に動画での解説が入ってはいるのですが、さすがにお客様の前で確認しながら作業するわけにもいきませんので(笑)。今はもうすっかり慣れましたが、最初は苦労しましたね。

集客のために何か対策をされましたか?

創業一年目は、認知度を高めるために、結構な費用をかけてチラシをポスティングしたり、ミニコミ紙に広告を掲載したりしました。そのおかげで、自社にとって何をすることが集客に効果的なのかを学ぶことができました。初年度の閑散期は、どうせ無駄だろうと予測してチラシをほとんどポスティングしませんでした。すると、お客様からの問い合わせは全くありませんでした。その経験から、閑散期であっても、定期的に宣伝し続けなければダメだということを学びましたね。現在は本部からチラシを購入し、毎月1万枚は必ずポスティングしています。もちろん、チラシだけがきっかけではなく、友人や知人からの紹介や評判を聞いて依頼してくださる方もいらっしゃいます。ただ、全くゼロからの問い合わせとなると、「チラシを見て」や「テレビCMを見て」というお客様が多いですね。

創業から現在までの状況はいかがですか?

おかげさまで、競合他社の影響もあまりなく、売上も受注件数もほぼ想定通りの経営となっています。「おそうじ本舗」の名前の通り、モップのレンタルもレンジフードの交換も行わない、掃除しかしないことがかえって強みになっているのではないかと思います。掃除のみを提供するというわかりやすさが、お客様に受け入れられている理由のひとつだと思います。最初は誰でも失敗はあります。けれど大切なのは、失敗をしたときに、それを次にどのように活かしていくかです。ピンチはチャンスではないですが、対処の仕方によっては、お客様との関係をより深めることができるかもしれません。失敗したときには、「経験を積んでいる」というふうに前向きに捉え、二度と同じ失敗を繰り返さないように心がけています。

創業して良かったことはありますか?

自分で時間を決めることができる部分が一番大きいですね。あとは、いろいろな人との出会いも、私の人生においてかなり大きなプラスになっています。創業までの準備期間中もそうでしたが、創業後にもたくさんの出会いがあります。例えば、徳山商工会議所からのお声がけでゲストスピーカーとしてセミナーに参加させていただいたり、これから創業を目指している方々や先輩創業者とお会いできたり。人生がより深くなったというか色濃くなったというか…。創業したことで、充実した日々が送れていますね。

今後の目標を教えてください。

一つめの目標は有店舗化することです。現在は自宅を事務所にしているので、きちんとお店を構えて、信頼度と認知度をもっともっと高めていきたいですね。そしてもう一つは、従業員を増やして下松市に2店舗目を立ち上げることです。多店舗展開をしたいのは、売上アップを目指すというよりも、より多くのお客様にいいサービスをご提供したいという想いからです。もともとお金を儲けることにはあんまり興味がなくて(笑)。

現在創業をお考えの方にアドバイスをお願いします。

まずは、商工会議所が主催する創業セミナーや相談会などに参加してみるといいと思います。経営に関する考え方や事業計画書の作り方が学べたり、信頼できる金融機関を紹介していただけたりなど、さまざまなメリットはもちろんのこと、大変心強い味方にもなってもらえます。その他には、実際に同じ業界で創業している人、働いている人にヒアリングし、本当にその商売でやっていけるかどうかリサーチしてみることもおすすめしたいですね。そして、創業後はたとえつまずいたとしても失敗と思わず前向きに捉え、何にでもチャレンジしていくことが大切だと思います。ぜひ頑張ってください。