創業者紹介
KAZUKEN卓球
河村 和治
Kazuharu Kawamura
長年選手として活躍してきた経験と
介護福祉施設で働いた経験を活かして、
幅広い世代を対象にした卓球教室を創業。
河村 和治40years old
Kazuharu Kawamura
周南市出身。5歳から卓球を習い始め、社会人まで第一線でプレー。所属企業の卓球部の廃部を機に、地元にUターン。介護福祉施設で働きながら介護福祉士と社会福祉士の免許を取得。これまでの経験を活かして、シニア向けのプログラムも取り入れた卓球教室「KAZUKEN卓球」を創業。
KAZUKEN卓球
創業:2019年11月
住所:周南市大字久米秋本3411-8
創業のきっかけを教えてください。
姉の影響で5歳のときから卓球を習い始めました。大学卒業後は、飲食関係の企業の卓球部に所属したのですが、23歳のときに卓球部が廃部になってしまい…。それを機に、地元である周南市にUターンして、介護福祉施設で働きながら社会福祉士や介護福祉士の資格を取得しました。施設管理者として働いていたときに、卓球を通じて高齢者の健康増進や介護予防のための取組を行うことに。そこで初めて、スポーツとして楽しむだけではない、卓球の新たな可能性を感じました。また、施設内の託児所の子どもたちと卓球で遊ぶこともあったため、「子どもたちに卓球を教えたい」という気持ちも自然に芽生えてきました。
創業に向けてどんな準備をされたのですか?
料金設定やレッスンメニューの組み立てをどうすればいいのかわからなかったので、大学時代の同期や先輩が運営する、京都や大阪、兵庫などの卓球場を10軒程度視察して参考にさせてもらいました。また、創業に関するさまざまなことは、徳山商工会議所に相談させていただきました。中でも心強かったのが、弁護士の先生をご紹介いただけたこと。そのおかげで、利用規約などの書類の作成がスムーズにいき、とても助かりました。また、その際に「やまぐち創業補助金」のことも教えていただき、すぐに応募しました。補助金は、卓球台等の備品の購入、チラシやホームページ作成などの広告宣伝費用、大会の視察費用などに使いました。
創業前の準備で苦戦されたことはありますか?
一番苦労したのは物件探しですね。いろいろ探し回ったのですが、小学校の近くで、卓球台を複数台置くことができる広さがあって、駐車場が確保できて…と、全ての条件に合うところがなかなか見つからなくて…。ここを見つけるまでにおよそ2カ月もかかりました。もとは歯医者さんだった建物ですが、鉄筋だけが残っている状態だったので、大幅な改修が必要でした。天井の高さの調整や床や壁、防音工事などの改装費は、大家さんがほぼ負担してくださったのでとてもありがたかったですね。
創業時の苦労や失敗についてお聞かせください。
卓球教室を開いている知人から、「オープンして3カ月くらいは生徒さんが集まらないよ」と言われてとても不安でした。そこで、一気にたくさんの生徒さんを集めようと考えてオープンキャンペーンを実施。予想以上にたくさんの方に利用していただいて、ものすごく嬉しかったのですが、忙しすぎて体調を崩してしまって。特に、私のような個人事業主は、体調管理も仕事のうちの一つ。1週間に最低1日はお休みを取るなど、もう少しワークライフバランスを意識すれば良かったなと思います。
実際に創業されてみてわかったことは何ですか?
おかげさまで、4歳から87歳まで幅広い年齢層の方にご利用いただいています。現在の会員数は120名で、そのうちの約60%が中高年の方になります。以前卓球をされていて「また卓球をしてみたい」という方が意外に多いですね。オープンしてみて感じたのは、運営ルール設定の難しさです。オープン当初の規約には「初心者レッスンから一般レッスンへの移行の時期は、こちらの判断により決めさせていただきます」と記していたのですが、どのタイミングで移行するのかが分かりづらかったみたいで…。生徒さんに合わせて柔軟な対応ができるようにと、ルールをきっちりと決めていなかったことで、かえって生徒さんを不安にさせる結果になってしまいました。期間に上限を設定するなど、もう少し具体的な内容を明記しておいた方が良かったのかなと反省しました。
事業活動を行う上で大切にされていることは?
生徒さんのニーズに添った指導を行うことです。オープン当初は、現役で活躍するプロが教えるのだから強いところを見せなくてはいけない…と肩に力が入りすぎてしまって、少し自分本位のレッスンになっていたように思います。現在は、レッスンを始める前に、生徒さんにやってみたいことや目標などをしっかりと聞いて、一人ひとりのニーズに沿ったレッスンを行うように心掛けています。
創業して良かったことは何ですか?
卓球を再開するきっかけづくりに貢献できていることは、本当に良かったなと思っています。また、卓球教室を通じて生まれた、数多くの出会いにも感謝しています。広告掲載を依頼したことをきっかけに、シティーケーブル周南の「ぴんぽんスマッシュ」という番組出演のご縁もいただきました。創業したおかげで数多くの大変貴重な経験をさせてもらっています!
今後の目標を教えてください。
介護福祉士、社会福祉士として働いていた経験を活かして、介護予防や認知症予防に特化した取組を強化していきたいと思っています。そして、小さなお子さんからご高齢の方を対象とした卓球大会など、多世代交流の機会を通じて、卓球の楽しさを広く伝えていきたいと思っています。ゆくゆくは、山口県から第2の石川佳純選手となるオリンピック選手も育てていきたいですね。
最後に、創業をお考えの方にアドバイスをお願いします。
ほかの事業所に負けない強みを持つことが大事ではないでしょうか。私の場合は、福祉と卓球を結びつけることで、事業に強みと広がりをもたせることができました。創業に向けていろいろ不安なこともあると思いますが、一度きりの人生です。やらなくて後悔するよりも、やって後悔するほうがいいと思います。ぜひ思い切ってチャレンジしてみてください!