創業者紹介

SUPRA

池田 博文
池田 彩海

Hirofumi Ikeda
Sami Ikeda

質の高い技術とサービスで
山口の女性をもっと美しく!
美容を通じて地域を盛り上げていきたい。

池田 博文/池田 彩海

Hirofumi Ikeda/Sami Ikeda

博文さんは山口市出身、彩海さんは福岡市出身。二人とも東京のヘアサロンで経験を積み、2016年に結婚。2020年10月に山口市へ移住。同年11月にヘアサロン「SUPRA」を創業。
 
SUPRA
創業:2020年11月
住所:山口市銭湯小路14 1F
HP:https://supra-yamaguchi.com

長年、美容業界の激戦区、東京で美容師としてのスキルを磨いてきたお2人。コロナ禍の中、2020年10月に山口市に移住し、11月に一の坂川近くにヘアサロン「SUPRA」を創業されました。これまで培ってきた技術と経験を活かして、「山口の女性をもっと美しくしたい!」と夢を語る池田さんご夫妻に、創業までの道のりや現在の状況、今後の展望などについてお聞きしました。(取材日:2021年11月22日)

これまでの経歴を教えてください。

博文さん:山口市内の高校を卒業後、福岡市の美容専門学校に進学しました。その後、トップスタイリストを目指して、東京・表参道のヘアサロンに入社。およそ20年間、美容師としてのキャリアを積みました。
彩海さん:北九州市の高校を卒業後、福岡市の美容専門学校に進学しました。東京・自由が丘のヘアサロンに就職し、そこで13年間美容師として働きました。夫とは東京で出会い、2016年に結婚。2020年10月に山口市に移住しました。

どうしてUターン創業されたのですか?

博文さん:結婚を機に、将来のことを考えるようになり、これからは地元に貢献したい、山口の女性を美しくしたいと思うようになりました。両親のことも考えると、実家の近くで開業した方が良いのではないかと思い、山口市にUターンすることにしました。
彩海さん:東京に住んでいた頃から休みの日にはよく郊外でキャンプをしていたので、できれば自然の近くで暮らしたいという願望がありました。私の実家がある福岡で創業という選択肢もあったのですが、自分たちが理想とするラグジュアリーなサービスを提供し、競合サロンとの差別化を図るためには、山口市で創業する方がいいだろうと夫婦で話し合って決めました。

創業に向けてどんな準備をされましたか?

博文さん:2019年から本格的に移住と創業の準備に取りかかりました。まず、東京・有楽町にある「やまぐち暮らし東京支援センター」に足を運び、移住に関するイベントやセミナーなどを紹介していただきました。
彩海さん(公財)やまぐち産業振興財団「やまぐち創業補助金」山口市UJIターン創業者支援補助金などの制度、不動産の情報や助成金の申請の仕方など、さまざまな情報を教えていただきました。ここで教えてもらわなかったら、ここまでスムーズには創業できなかったかも。担当の方が親身になってくださり、手厚いサポートを受けることができたので心から感謝しています。

創業資金はどうされたのですか?

博文さん:創業資金は、自己資金、銀行からの借入、そして補助金でまかないました。主な使い道は、建物の改修・施工費です。住宅ローンで借入できるようにしたかったので、自宅兼店舗の物件を探しましたが、最適な物件はなかなか見つかりませんでした。諦めてテナント物件にしようかと思っていた矢先に、インターネットでこの物件を見つけました。

創業の準備で大変だったことは何ですか?

博文さん:リモートでの開業準備です。本格的に物件や施工業者を探し始めたのが2021年の1月。4月には新型コロナウイルスによる緊急事態宣言が出されたため、5月の着工から8月の完成までの間に実際に建物を見られたのは1回だけでした。施工会社とのやりとりも銀行との契約も全てリモートで行いました。全てが初めてのこと、なおかつリモートということで、戸惑うことばかりでした。
彩海さん:時間を要したのは事業計画書の作成です。前の職場で経理マネジメントを担当していたこともあり、売上計画などを作成することには慣れていたのですが、自分たちの店を創業するとなるとかなり勝手が違いました。不安だらけの中、勤めていた美容院の事業計画書を参考に、インターネットで調べながら独力で作成。数字に説得力を持たせるために、お付き合いのあった美容・サロンの大手ポータルサイトの担当者から聞いた山口の情報をもとに、5年先まで事業計画書に落とし込みました。さらに、勤めていた美容院のオーナーからのアドバイスを参考に、ブラッシュアップを行い、無事に融資を受けることができました。

創業に向けて不安はありませんでしたか?

博文さん:自分たちが理想とするサービスが、山口のお客様に本当に受け入れてもらえるのかどうかとても不安でした。特に気がかりだったのが料金設定でした。この部分については、夫婦で何度も話し合いました。最終的に、価値のあるものを提供すれば、絶対に受け入れてもらえると判断しました。
彩海さん:オープンするまでは不安でしたが、山口市にも、最先端の技術やサービス、トレンドを求めている人は必ずいらっしゃると信じて、やや高めの設定にすることにしました。オープンしてすぐに、予約がいっぱいになったことで、自分たちの考えにようやく自信を持つことができました。

創業後、これまでの状況はいかがですか?

博文さん:山口市のみならず、萩市や長門市、周南市、光市、下関市など、県内全域からお客様にご来店いただいています。おかげさまで1カ月半先までご予約で埋まっています。当初は、アクセスの便利な小郡の新幹線口に開業しようかという案もありましたが、実際に開業してみて、車さえあれば県内どこからでもお客様は来てくださることが分かりました。
彩海さん:山口は東京に比べて口コミ文化が発達しており、お客様の声が何よりの宣伝になることを実感しました。逆に、悪い評判もすぐに広まってしまうと思うので、常に緊張感を持ってお客様に向き合わなければいけないと気を引き締めています。

創業して良かったことは何ですか?

博文さん:当たり前だと思っていたお客様のありがたみを感じられることです。福岡や東京のヘアサロンを利用していたお客様から、「山口に居ながらにしてこんなカットやサービスが受けられるなんて驚き!」と言われたときは本当に嬉しかったです。
彩海さん:長年の経験則で対応できているため、いまのところ大きなトラブルもありません。美容業界のことをよく知った上で開業したのが良かったのかなと思っています。

今後の目標を教えてください。

博文さん:お客様に長く通い続けてもらえるようなヘアサロンにすることです。将来的には、スタッフを養成し、自分の目の行き届く範囲でブランド展開していきたいと思っています。育てたスタッフに、2店舗目を任せられるようになれば最高ですね。若い人が活躍できる場を提供し、美容を通じて山口を盛り上げていくのが大きな夢です。
彩海さん:美容を通じて山口に貢献したい、地域を盛り上げていきたいというのが夫婦の共通の目標です。その目標を達成するために、東京の最新情報を取り入れながら、より優れた技術とサービスを提供し続けたいと思っています。

最後に、創業をお考えの方にアドバイスをお願いします。

博文さん:東京にあって山口にないものはまだまだたくさんあるので、地方にこそビジネスチャンスが広がっていると思います。地方での創業は、家賃などのランニングコストを抑えられる分、質の高い商品やサービスをお客様に還元できます。お客様の満足度を高め、自分たちが理想とする店舗づくりがしやすい魅力的な環境が整っていると思います。
彩海さん:マーケティングの視点を持つことが重要です。地域のお客様のニーズや傾向を理解した上で、提供する商品やサービスの強みをどのように表現すればお客様に響くのか、そのために何をするのかを考え、深めていくことが必要だと思います。創業はゴールではなくスタートです。オープン後も良い状態を維持できるように、うまくいかなかったときのこともイメージして計画することをおすすめします。