創業者紹介

シアワセ空間計画室

柴田 さちこ

Sachiko Shibata

整理収納を通して
暮らしも心もシアワセになる
空間づくりをサポートしたい。

柴田 さちこ49years old

Sachiko Shibata

山口県下関市出身、和木町在住。短大卒業後、一般企業、航空会社の地上職勤務を経て、結婚。夫の赴任先である岩国市へ転居。次男を出産後、岩国市の生涯学習担当嘱託職員として勤務。2012年より整理収納アドバイザーとして、講師業と整理収納のサポートをスタート。3児の母としても奮闘中。
 
シアワセ空間計画室
創業:2012年4月
住所:玖珂郡和木町
HP:https://www.shiawasekukan.com/

2012年から整理収納アドバイザーとして、2016年からは時短家事コーディネーターとして活動の幅を広げている柴田さちこさん。整理収納に関する資格認定講座やセミナーの講師、家庭向け・企業向けの空間改善サポートなど、多方面で活躍されています。仕事と家事を両立しながら3児のママ業もこなす柴田さんに、この仕事を始めた理由や創業までの準備などについてお聞きしました。

整理収納アドバイザーの資格を取得されるまでの道のりを教えてください。

結婚・出産後、しばらくは専業主婦をしていましたが、35歳までには社会復帰したいという思いがあったので、次男の入園を機に仕事を探し始めました。まだ子どもが小さかったため、残業がなくて定時で帰れる仕事をと考え、岩国市の嘱託職員として働き始めました。担当したのは、乳幼児学級や市民大学の企画運営でした。さまざまな講座を企画するなかで、参加者から「家の片付けについて学んでみたい」という要望が寄せられました。私自身インテリアが好きだったこと、引っ越しの度に物の整理収納に悩まされてきたこと、両親の遺品を整理した経験などもあり、ぜひ開催したいと思いました。早速、広島から講師を呼んで、参加者の皆さんと一緒に学びました。習ったことを家で実践すると、物の持ち方や整理収納の仕方が分かるようになり、家の中が見違えるようになりました。そのときの講師の先生から「柴田さんも良かったら講座を受けてみませんか」と声をかけられたのがきっかけで、2010年に整理収納アドバイザー2級認定講座を受講しました。でも、その時点では整理収納を仕事にしようと考えていたわけではありませんでした。

なぜ整理収納を仕事として考えるようになったのですか?

整理収納の楽しさを知り、この楽しさをもっと多くの人に伝えたいと思うようになったからです。そこで、整理収納アドバイザー1級、整理収納アドバイザー2級認定講師などの資格を次々に取得していきました。そして、当時企画を担当していた市民講座で初めて講師役を務めました。講師をして感じたのは、思っていたよりも片付けでお困りの方が多いということ。「もしかしたらビジネスとして成立するかもしれない!」と考え、嘱託職員の任期満了後は整理収納アドバイザーとして本格的に活動していこうと決めました。

創業される前にどんな準備をされましたか?

当時は、「整理収納アドバイザー」という言葉も今ほど認知されていませんでした。これからは、「片付け」が仕事になるという確信はあったのですが、その一方では、本当にやっていけるのかという不安もありました。そこで、自信をもって「プロ」と言えるようになるために、インテリアコーディネーターの資格も取得しました。さらに、地元の清掃会社でアルバイトを経験して、掃除のスキルや接客マナーも身に付けました。また、それと並行して、ブログでの情報発信を始めました。

経営面ではどんな準備をされましたか?

まず、和木町の商工会に相談に行き、中小企業診断士やマーケティングなどの専門家の先生をご紹介いただきました。商工会主催の起業セミナーにも参加し、創業に必要な基礎知識や経営に関するノウハウを学びました。さらに、「山口県よろず支援拠点」を活用して専門家に相談したり、中小企業向けの支援サイト「ミラサポ」に専門家として登録したりと、創業に向けての準備を整えていきました。

そのほかのセミナーは受講されましたか?

山口県、(公財)やまぐち産業振興財団主催の「女性創業セミナーWITTY」を受講しました。週に1回、4カ月間のプログラムでしたが、とても中身が濃く、さまざまな専門家に丁寧に指導していただけました。創業の準備から資金計画、ターゲットの設定、広報の仕方など、創業・経営に必要な知識を学び、ビジネスプランをブラッシュアップすることができました。また、WITTYに参加したことによって、創業という同じ目標を持った同志とのネットワークが広がりました。悩みを共有したり、情報を交換し合ったり、互いに刺激し合えるようないい関係を築けたのは大きかったですね。

創業後、事業はスムーズに進んでいますか?

講師業の方は順調に増えていきましたが、整理収納サービスはなかなか浸透しなくて…。そこで、時間や回数などの条件を設定してさまざまなプランを考案したり、フライヤーを新たに作ったり、SNSで情報を発信したりと、地道に宣伝活動をしていきました。その結果、一度サービスを利用された方がお客様をご紹介してくださったり、ネットを通じて問い合わせが増えたりと、今のところ順調に進んでいます。個人向けサービスは山口や防府、企業向けサービスは広島など、遠方のお客様からの依頼もあり、今の時代に求められているサービスなんだなと実感しています。

創業後、苦労したことはありますか?

整理収納サービスの場合は、お部屋の写真を予めいただいて改善策をシミュレーションしてからお伺いするだけでなく、その場でご提案することも多いですね。経験が少なかった頃は、自分の引き出しが足りなくて、お客様に心から満足していただけないこともあったかもしれません。今でも「本当にあの提案がベストだったのかな」と後から気になることもあります。あとは子育てとの両立ですね。夫が単身赴任していた時期があるので、土日の仕事が入ったときには、子どもを友達に預かってもらって乗り切りました。家族や周りの理解や協力があったからこそ、今まで続けてこられたのだと思います。

創業して良かったことはありますか?

お客様から「柴田さんに出会えて良かった!」と言っていただけることが何よりもうれしいです。お客様の数だけ正解があるので、100点満点を出すのはなかなか難しいですが、その分やりがいは大きいですね。また、勇気を出して創業したからこそ、たくさんの方々との出会いに恵まれたのだと思います。この仕事を通じて、人の役に立つ喜び、人に必要とされる喜びを感じています。

今後の目標を教えてください。

2016年に立ち上げた「時短家事コーディネーター」認定講座を全国に普及させていきたいと思っています。また、書類整理術、時間短縮術など、ポイントを明確にした企業向けのプログラムを増やすことも考えています。毎日家事や育児、仕事の両立に追われる忙しいママやパパが、少しでもラクに楽しく暮らせるように、多方面からサポートしていきたいです。

現在創業をお考えの方にアドバイスをお願いします。

お客様から要望があれば、「できる」「できない」で判断するのではなく、お客様のために何ができるのかを考える。もし自分ができないのであれば、それにふさわしい人を呼んでくるなど、仕事を断らない姿勢を大切にするといいと思います。あれもしなきゃ、これもしなきゃという焦りがあるかもしれませんが、何事もスモールステップの積み重ねです。目の前のことに全力を尽くす。そうすれば、そこから先につながっていくはずです。一つひとつのご縁を大切にして、仕事も人生も豊かなものにしていってください!