創業者紹介
リフレッシュサロンRefresia
吉屋 裕子
Yuko Yoshiya
子育てと介護と仕事と…
全てをやりたいから選んだ創業で
萩市民の健康意識向上に寄与したい。
吉屋 裕子41years old
Yuko Yoshiya
萩市出身。オイルマッサージや整体を習得し整骨院に勤務していたが、子育てと介護、仕事の両立に限界を感じ、働き方を見直すことに。その後、施術5000人の達成をきっかけに、2018年8月、「リフレッシュサロンRefresia」を創業。現在は、多くの人の体をメンテナンスしつつ、萩市全体の健康意識向上を目的に新事業立ち上げを目指す。
リフレッシュサロンRefresia
創業:2018年8月
住所:萩市東田町144-2F(田町商店街アーケード裏)
HP:https://refresia.shopinfo.jp
これまでの経歴を教えてください。
萩市内の高校を卒業後、保育士の資格を取るために専門学校に進学しましたが、経済的な理由から中退。その後は、福祉関連の仕事、ドラッグストアのスタッフ、秘書など、様々なジャンルの仕事を経験しました。中でも、スパ施設でのオイルケアの仕事が一番しっくりときましたね。元気になって帰られる利用者の姿を見ているうちに、次第にセラピストとして独立したいと思うようになっていきました。また、ずっと働き続けるためには、何か手に職をつけなければと思っていたことも大きかったですね。長門市にあるスパや山口市にある旅館で経験を積み重ねた後、一念発起し、特別なつてもないのに、スーツケースひとつと10万円を握りしめて上京しました。今思えば、かなり無謀だったなと思います(笑)。萩市にUターンしてからは、セラピストとしての幅を広げるために、整骨院で働きながら施術を学びました。
創業を決めた理由を教えてください。
子育て、親の介護、仕事を両立することが一番の理由です。子どもは保育園に預けていましたが、まだ小さかったので体調を崩すことも多く、整骨院の他のスタッフに迷惑をかけてしまうことがありました。さらに、タイミングが悪く親の急病も重なって…。自分のお店を持って時間をコントロールしないとこれらを両立できないと思い、思い切って独立することにしました。また、バリバリと仕事をして輝いている女性への憧れから、私も一事業者として、心身のケアと健康づくりを通じて、社会に貢献したいという思いもありましたね。
オープンに向けてどのような準備をされましたか?
萩市、山口県などで公開されている市場調査の情報を取り寄せて確認したり、この業界での現在の需要がどのようなものかを調べたりしました。それと、今後どういった年代、どういった利用の仕方が生まれてくるのかを自分なりに考察しながら、経営する店の将来のビジョンを具体的にまとめていきました。不安になった時に一番の心の拠り所となったのは、5,000人以上にオイルケアと整体を施術してきたという実績でしたね。
創業することに対しての周囲の反応はいかがでしたか?
最初の頃の家族の反応は厳しかったですね…。子どもの預け先は確保できるのか、いざという時に親の元に駆けつけられるのか、資金繰りなどきちんと管理できるのかなど、それはもう大反対でした。やりたいことをしたいだけだと思われていたのかもしれませんね…。子育て・介護・仕事を両立させるには、自分で時間を調整できる「開業」しかないことを訴え続け、問題を一つひとつクリアしていき、最終的に「家族の将来のためにもベストな選択なんだね」と言ってもらえました。そのときは本当に嬉しかったですね。今、当時を振り返って見ると、私の本気度が試されていたのかもしれないなと思います。
店舗はどのようにして見つけられたのですか?
お店の1階にある美容室のオーナーさんに「商店街でこういうお店をやりたい」と何気なく話したことがきっかけで、この場所を見つけることができました。しかも大家さんのご厚意で敷金・礼金なしの格安料金なんです。本当に助かりました(笑)。またこの辺りには、美容室やまつげエクステ店が集中しているエリアなので、集客の面から考えてもとても良かったですね。
創業資金はどのように準備されたのですか?
全て自己資金でまかないました。購入したのは施術台と装飾品、備品くらいです。店舗の改装もできるだけ自分でやって、極力コストを抑えるようにしました。金融機関主催の助成金のセミナーにも参加したのですが、結局利用しませんでした。でも、セミナーに参加したことを機に、先輩経営者との繋がりが生まれたので、参加して良かったなと思います。
事業計画書は作成されましたか?
方向性を定めておかないと不安なタイプなので、本やインターネットなどを参考にしながら、事業計画書を作成しました。わからない部分については、先輩経営者や商店街の方々にアドバイスをしていただきました。普通であれば、市や商工会議所などで指導をしてもらうところなんでしょうけど(笑)。現役の経営者から直接、「こういう場面でつまずいた」「こういったときの資金繰りに備えておいた方がいい」など、普段あまり聞くことできない生の声を聞けたのは大変貴重な経験でしたね。
現在の状況はいかがですか?
おかげさまで予約が入らない日はほとんどなく、計画していた数字の2〜3倍のお客様にお越しいただいています。お客様にご来店の理由を聞いてみたところ、オープン当時に地方紙に掲載された紹介記事と、友人・知人からの口コミがほとんどでした。お客様から「萩市に今までこういうお店がなかった」と言われることも多いのですが、実際のところは、その他のお店が情報発信不足で認知されていないだけなんだろうと思います。お客様との何気ない会話の中から、情報発信の大切さを痛感しましたね。これを心に留めて、これからもSNSやホームページで、継続して情報発信を続けていこうと思っています。
創業してから何か不安や苦労はありましたか?
出入口が奥まった場所にあってわかりづらいという点が不安でしたね。でも実際に営業を始めてみると、お客様をお出迎えしたり、逆にお見送りしたり、一緒に歩く距離、時間の中でお客様に対して、きちんと接客できるというメリットがあることがわかりました。また、密かに利用されたいお客様からは、隠れ家的な雰囲気がいいと高評価をいただいています。今では、出入口が奥まった場所にあってわかりづらいというところは、逆に良かったなと思っています。
創業して良かったことは何ですか?
自分のペースで働けること、そして、萩市のみなさんの優しさや温かさにより深く触れながら仕事ができることです。田町商店街の方も萩商工会議所の方も子育てや介護の事情をよく理解してくださっており、本当にいろいろと相談に乗ってくださったり、協力してくださいます。一人で営業していますが、常に心強い存在が周りにいてくれるような感覚ですね。
今後の目標を教えてください。
子育てと介護、仕事の両立は今後も継続しながら、萩市内で事業を展開している企業に出向く出張整体の拡大に力を入れていきたいと思っています。従業員の健康管理やリフレッシュのために、福利厚生のひとつとして出張整体を取り入れることで、生産性のアップ、就業満足度の向上、働く意欲の改善、定職率アップなどにお力添えができると考えています。また、健康経営指導や健康づくりに役立つ情報の提供もできるので、いろいろな面から従業員のみなさんの健康づくりへのアプローチも可能となります。より長く元気に働ける方が増えれば、それはやがて萩市の発展、活性化にもつながっていくと思います。私自身の事業の拡大はもちろんのこと、萩市全体の健康意識の向上に寄与していきたいですね。
創業をお考えの方にアドバイスをお願いします。
まずは身近な人に自分のビジョンを話して、客観的な意見をいただくといいと思います。思い切って口に出してみることがスタートへの第一歩です。そして、自分一人で頑張ろうとしないで、頼れるところは頼った方がいいと思います。「不安を感じる前に動く!」が私のモットーです。不安だ、不安だ…と思い悩んで足がすくんでしまう前に行動を起こせば、きっと解決の糸口が見つかると思いますよ!