イベントレポート

「全力で駆け抜けた創業へ! 私が創業を決断した理由!」

開催日時:2018年12月22日(土)

13:30〜14:10講演
14:10〜14:20休憩
14:20〜15:30質疑応答

開催場所:やまぐち創業応援スペースmirai365(山口市米屋町2-7)


講師:株式会社AGERA 代表取締役 西岡稀海香氏

講師プロフィール

三重県伊勢出身。家業の経理から司会業に従事するも、阪神淡路大震災を経験し、「人々の役に立てる仕事がしたい」と女性ばかりを集めた情報サービス業の会社を設立。2004年、株式会社女将塾より「職業女将」として山口市湯田温泉の「ホテル松政」の女将に就任。2017年、株式会社AGERAを創業。講演会は400回を超え、旅館・ホテルの「現場の人財育成コンサルタント」として全国を飛び回りながら山口の企業を中心に研修やコーチングを行なっている。

講演概要

「職業女将」として「ホテル松政」の女将に就任した西岡稀海香さんが、毎年1億円の赤字を計上していた「ホテル松政(現:湯田温泉ユウベルホテル松政)」を再生するために取り組んだ実例を交えながら、経営課題の解決方法や人材育成、具体的な接客テクニックなどについてご紹介されました。さらに、20年務めた「ホテル松政」の女将を退任後、「慮る力」という新しい価値で企業発展を目指すコンサルティング会社、株式会社AGERAを創業された経験に基づくアドバイスもされました。

講演内容

●経営者としての心構え
・できない理由を並べるのではなく、できる方法を考える。
・スタッフ一人ひとりに目を配り、評価してあげること。
・スタッフ全員が同じベクトルで行動できるよう、目標を掲げること
 (ホテル松政の場合は「おもてなしNO.1」を目指す)

●「サービス」と「おもてなし」の違い
サービス…いつでも、どこでも、誰にでも
おもてなし…今だけ、ここだけ、あなただけ
求められているものを、求められている場所にお届けすることが成功の秘訣。
これは商品開発にも同じことが言えて、欲しいと思われていないものをいくら作ってもその商品は売れない。

●ターゲットを明確にした広告戦略を
自分の店にどんなお客様に来てもらいたいのか、そのお客様がどの商品を求めていて、どの年代で、どんな人を好んでいるのかを決めて広告の方向性を定める。

質疑応答

Q.正社員以外(アルバイトなど)の教育はどのように行ってきたか?
A.的確に指示をするために、何をしてもらいたいのかを3つ先まで指示することを徹底する。年齢差がありすぎると感覚が異なってコミュニケーションが取りづらいため、指導者はできるだけ年齢の近いスタッフを任命する。

Q.お客さまが何を求めているのかを知る方法は?
A.チェックアウトのときに「今回どうしてうちを選んでくれたんですか?」とストレートに聞いてみる。館内にいるときには、常に3つの答えをこちらが持っておくことを心がける。レストランでお客様が顔を上げられたら、「トイレに行きたいのかな?」「ビールが切れたのか?」「寒いのか?」といった具合に。3つずつ想像するトレーニングをスタッフにも行うと良い。

Q.お客様はまずスタッフのどこを見るのか?
Aまずは顔、次が髪。そのあとが胸。胸が空いている服を来ていると相手はウエルカムと判断するので、堅い商談をするときは胸が空いた服、鎖骨が見えるような服を着た方がいい。スタッフは目をじっと見ないで、眉毛と眉毛の間を見る。相手は自分を見てくれてはいるが、凝視はしていないと捉えてくれる。

Q.言葉をわかりやすく伝えるために気をつけていることは?
A.カタカナはできるだけ使わずに、小学校6年生でもわかる言葉を使う。相手が理解しやすい言葉をセレクトすることが大切。ご年配の方が多い講演会では低い声で、若い方が多い講演会は少し高い声で話すようにしている。

Q.「おもてなしマインド」にたどり着いたきっかけは?
A.できる方法を考えた結果たどり着いた。予算はない、これといった名物となる食材もない、いろんな温泉があるわけでなく大浴場が1つだけ…、そんな状況の中でできることといったら人材育成だった。「おもてなしNO.1」を目指すことだった。自分で見て考えて、もがいたことで見つかった。

参加者感想

・「できないことを挙げるのではなく、できることを考えることが重要だと改めて学ばされました。望まれること、求められていることを明確にし、提供することこそが経営の真髄だと思いました」(50歳女性・宇部市・フードサービス)

・「従業員の育て方を学べたのが良かったです。3つ先の指示までできるよう、自分自身も成長しないといけないなと痛感しました」(50歳女性・田布施町・住宅関連)

・「接客するときの目線や細々とした気遣いなど、具体的な例が参考になりました。経営はやはり相手のことを考えられる人材の育成が要なのだと思いました」(47歳女性・山口市・住宅関連)

・「スタッフ教育やおもてなしマインドの大切さを学ばせていただきました。お客様それぞれのニーズに合ったものが提供できるよう、より一層力を入れていきたいです」(42歳男性・山口市・サービス)