創業者紹介
〜リフレクソロジーで癒しの空間〜 ぽっかぽか
飛田 明美
Akemi Tobita
人も自分も癒される
癒しの空間を提供したい。
飛田 明美40years old
Akemi Tobita
広島市生まれ、山口市在住の35歳。山口の短大を卒業後、保育士として9年間地元の保育所に勤める。2013年5月、リフレクソロジーの自宅サロンをオープン。2016年11月、やまぐち創業応援スペース「mirai365」のチャレンジモールに入居。2018年9月、新店舗での営業をスタート。
〜リフレクソロジーで癒しの空間〜
ぽっかぽか
創業:2013年5月
住所:山口市中市町6-3
HP:https://pokkapoka.space/
創業のきっかけを教えてください。
高校生のときに参加したボランティアの経験から、将来は障害をもっている子どもたちと接する仕事に就きたいと考えるようになりました。そこで、短大の保育学科に進学し、障害児と健常児を一緒に保育する統合保育が充実した保育所に就職しました。子どもたちと一緒に過ごす毎日はとても楽しく充実していましたが、一方で、「命を預かる」というプレッシャーから体調を崩してしまって…。それがきっかけで、自然と自分の健康について考えるようになりました。そのうちに、「自分のペースでできて、人も自分も癒される空間をつくりたい」、そんな気持ちがだんだんと大きくなっていきました。もともと自分がマッサージやリフレクソロジーなどを受けるのが好きだったことも影響したのだと思います。そこで、9年間勤めた保育所を思い切って退職し、セラピストの道に進むことにしました。
どうしてリフレクソロジストに転身されたのですか?
仕事を辞めて1年間はゆっくり休養しようと思っていたのですが、なかなかじっとしていられない性格で(笑)。資格をとるためにセラピストを養成する学校に通うことにしました。一言にセラピストといっても種類はさまざま。どんなジャンルがいいのか、インターネットで探す中、ピンときたのがリフレクソロジストの養成学校でした。その直感を確かめるために、オープンキャンパスに参加し、家族にも相談した上で、大阪にある学校に通うことに。学ぶうちに、人が手をあてることで感じる温もりが、体だけでなく心も癒すことを実感し、起業への思いがさらに強くなりました。半年後に無事資格を取得し、すぐに創業に向けての準備を始めました。創業に必要な手続きなどは、創業経験のある友人に相談しました。必要だったのは、施術用のベッドや備品くらいだったので、全て自己資金でまかないました。そして2013年5月、空き部屋となっていた実家の2階を利用して、自宅サロンをオープンしました。
自宅サロンをオープンされてみていかがでしたか?
創業当時は、地域情報誌に広告を出したり、自作のフライヤーをお友達に配ったりと集客に力を入れたこともあって、コンスタントに予約が入ってきていました。でも、数カ月もするとお客様が徐々に減っていき…。自宅サロン一本で生活をするのは難しかったですね。派遣の仕事と並行しながら3年が経過したころ、やまぐち創業応援スペース「mirai365」のチャレンジモールへの入居のお誘いをいただきました。最初はお断りしたのですが、工事が進むにつれてだんだんと形になっていくおしゃれな建物を見て急に気になりだして(笑)、見学をさせてもらいました。そのとき、さまざまな業種の人たちがテーブルを囲んで楽しそうに話している絵が頭の中にパッと浮かんできて、チャレンジしてみようと一気に心が動きました。いきなり店鋪を持つのはリスクがありますが、ここなら自宅サロンと並行してやっていけるなという思いもありましたね。
やまぐち創業応援スペース「mirai365」のチャレンジモールに入居されてみていかがでしたか?
とにかく集客力が大きかったですね。商店街なので人通りも多く、オープンな空間なので入りやすい。それに当時、mirai365自体が注目されていたこともあり、たくさんの方に知っていただけるきっかけにもなりました。自宅サロンでは多くても月に10数名だったお客様が、70〜80名と大幅に増えました。また、チャレンジモールのほかの入居者や、2階のシェアオフィスを利用されている方との交流もいい刺激になりました。「チラシや看板をもっとこうしたら?」とか、「SNSをもっと活用したら?」とか、自分では思いつかない情報やアイデアをいただくなど、勉強になることばかり。創業して間もない仲間、あるいは創業を志す仲間たちと共に成長していける、とても魅力的な場所だと感じました。
そのほかに得たものはありますか?
利用期間が最長2年という期限付きだったので、入居して1年を過ぎた頃から次の展開を考え始めました。漠然とやってきたことを事業計画に落としこみ、苦手だった数字に本格的に向き合うようになりました。インキュベーターさんや山口商工会議所の方からのアドバイスや指導はとても助かりました。それまでは、このくらいの金額なら生活ができるかなくらいの甘い認識だったのですが、事業を継続させるためには安定した経営が必要なこと、自分が掲げていた目標値が低かったことを思い知り、事業に対する意識が随分変わりましたね。おそらくmirai365に入居しなかったら、そんな考えには至らず、新店舗を構えるという決断はできなかったと思います。
どうして今の場所に移転されたのですか?
自宅から通える範囲内で店舗を探し始めましたが、なかなか希望にピッタリとくる物件が見つかりませんでした。現在の店舗を見つけたのは、とても不思議なご縁がきっかけでした。湯田の飲み屋で、新天街に新しくパン屋をオープンされた方と偶然出会い、お話をしてみると、商店街の近くで商売をしている私の友人のことを、その方もご存知だということが分かって…。翌日、その友人に、昨日のパン屋さんとの出会いについて話しに行くと、「パン屋さんの横の空き物件の大家さんを知っているから紹介してあげよう!」と言われて(笑)。運命的なご縁にビックリしましたね。空き店舗のある新天街の三叉路に立ったときに、パン屋さん、ラーメン屋さん、リフレクソロジーのそれぞれのお店のファンが循環するいいイメージが、また浮かんだんですね。さらに、通りがかりの人から「新天街はお店が増えて、これからアツくなりそうですよね」と話しかけられたことで、私のワクワクンセンサーがビビッと反応してしまいました(笑)。また、mirai365から歩いて5分という立地も魅力的でした。
移転に関する資金はどうされたのですか?
今回は自己資金だけでまかなうのは難しかったため、山口商工会議所に相談に行き、日本政策金融公庫を紹介していただきました。そこで、融資を受ける際に必要な書類の書き方や面接の練習などをサポートしていただき、無事融資を受けることができました。おかげさまで、ドアと窓のリフォーム、外観の塗装や看板、室内の照明など、希望通りのお店ができました。
どんなお店なのですか?
足裏を素手で優しく刺激することにより、体全体の疲労回復やリラックス効果を促す「リフレクソロジー」を提供しています。さまざまなお客様に対応できるように、ミニリフレやフルリフレなどのさまざまな施術コースを設定しています。そのほかにも、ふくらはぎオイルトリートメントなどのオプションメニューもご用意しています。お客様と一対一の対話を楽しみたいという思いから、施術後にはハーブティーを提供し、私も一緒に楽しむスタイルにしています。カフェでお友達とお茶をするような感覚で、心温まるひとときを過ごしていただけたらいいなと思っています。
創業して良かったことは何ですか?
やはり一番は、いろいろな方との出会いです。お客様はもちろんですが、ほかの業種の創業者や創業支援機関の方々など、たくさんの出会いがありました。自宅サロンをずっと続けていたら、絶対になかった出会いだと思います。施術を終えて「気持ちがラクになった」と涙を流して喜ばれるお客様がいらっしゃったり、ご近所の方から「あなたが来てくれて良かった」「新天地が賑やかになってうれしい!」と言っていただいたりして、心から創業して良かったと思いました。近隣の店鋪のみなさんも親切でいい方ばかりで…。とてもいい場所にご縁があったなと感謝しています。
今後の目標を教えてください。
まずは、新店舗での運営を軌道にのせることです。ただ待っているだけでは、お客様は来てくださいません。予約が入っていない時間帯は、商店街に出て行ってショップカードを配ったり、声掛けをしたりするなど、積極的なアクションを継続していきたいと思っています。ゆくゆくは2階の和室を活用して、セラピスト仲間と一緒に、癒しをテーマにしたイベントも企画したいなと考えています。移転先の新天街は、若い事業主の方も多いので、協力しあって、ちょっとしたお祭りなども企画してみたいですね。将来的には地域全体を盛り上げていけたらいいなと思っています。
現在、創業をお考えの方にアドバイスをお願いします。
自分がやりたいと思ったことは、声に出すことが大切です。周りに知ってもらうことで、情報が集まってきたり、応援してくれる人が増えたりと、できる可能性が高くなっていくと思います。災害や事故、病気など、いつどんなことが起こるのかわかりません。人生は一度きり。後悔しないためにも、自分がワクワクするようなこと、やってみたいと思ったことは、すぐに行動に移すことをおすすめします。自分の直感を信じて突き進んでください!