創業者紹介

株式会社ベストアプローチ

今西 綾子

Ayako Imanishi

会社に貢献できる何かを自分でしたい!
経営を学び、ファスティングと出会ったことが
生き方を一変させ、新事業の立ち上げにつながった。

今西 綾子51years old

Ayako Imanishi

宇部市生まれ。高校を卒業後、歯科助手として約9年間働き、結婚・出産を機に退職。その後、歯科助手、営業事務などを経験し、夫が経営するフィットネスクラブを手伝うために経営について学ぶ。2014年12月、「会社に貢献するために何かしたい!」とファスティングを中心とする美容・健康事業を開設。
 
株式会社 ベストアプローチ
創業:2013年8月(2014年12月に美容・健康事業を開設)
住所:宇部市上宇部471-4
HP:http://www.hbacc.jp/

夫の創業をサポートするために経営を学び始めた今西綾子さんは、山口県、(公財)やまぐち産業振興財団主催の女性創業セミナーWITTYへの参加をきっかけに「自分でも何かをしたい!」という思いを抱くように。そこで出会ったのが、現在の事業の要となるファスティングでした。社内的な理解がなかなか得られず、事業化には程遠い状況にあったにも関わらず、見事に夢を実現させた今西さんに、これまで歩んできた道のりと近況、これからの目標などについてお聞きしました。

これまでの経歴を教えてください。

宇部市内の高校を卒業後、約9年間歯科助手として働き、結婚後、出産・育児を機に退職しました。しばらくの間は専業主婦でしたが、子育てが落ち着いてから社会復帰し、歯科助手や営業事務を経験しました。その後、夫がフィットネスクラブを開業することになり、私も夫を支えるために経営について学ぶことになりました。その時は自分自身で事業を始めるつもりは全くなく、あくまで「事業を支える女将さん」という立場で、山口県、(公財)やまぐち産業振興財団主催の女性創業セミナーWITTYに参加しました。WITTYでは経営について学べただけでなく、社会で活躍することを目指すたくさんの女性たちから刺激を受けることができました。ともに学ぶ中、「私も自分で何かやってみたい!」と思うようになり、その結果が、ファスティングを中心とした美容・健康事業を会社内で立ち上げることにつながったんです。新事業を立ち上げたいと思わせてくれたWITTYでの出会いや、そこで得た絆は私にとって生涯の財産になると思います。

ファスティングを知ったきっかけを教えてください。

WITTYを卒業した後、福岡県で開催された美容系のイベント「ビューティーワールド福岡」で、現在、ファスティング事業で取り扱っている、飲む植物発酵飲料のパッケージを見たことがきっかけです。箱もラベルも全てが美しく、一目で気に入ってしまいました。ファスティングとは簡単にいうと「断食」です。ただ単に食事を絶って摂取カロリーを抑え、痩せることだけを目的とするものではありません。体内に蓄積された有害物質を排出すると同時に、疲れた消化器官を休ませ、腸内環境を整えることで、免疫力をアップさせたり、血液をサラサラにしたり…、とさまざまな効果が期待できる美容・健康メソッドなのです。私自身もその時に初めてファスティングを知り、衝撃を受けたのを覚えています。

なぜファスティングを事業にしようと思ったのですか?

夫が経営するフィットネスクラブ「HBACC」の「H」はハート、「B」はボディ、「A」はアンチエイチング、「CC」はコミュニティーセンターの頭文字なので、私はこのファスティングで「A」の部分を担おうと閃いたんです。ただ、その時点では社長から「よくわからないものに投資する余力はない」とハッキリ言われてしまいました(笑)。しかし、そう簡単には諦められず、自分なりにさらにファスティングについて調べ、知識を深めていきました。その後、再三にわたる私からのプレゼンと、東京で開催された日本最大のスポーツ・健康産業総合展示会「スポルテック」で、社長が偶然にもこの植物発酵飲料を目にしたことによる影響などから、状況は少しずつ変化し、だんだんと前向きに検討してくれるようになりました。私自身もファスティングが酵素栄養学や腸内細菌学などを背景に確立されたメソッドであることを知り、これを「みなさんにお伝えしたい!」、そして「山口県を元気にしたい!」と思うようになりました。

ファスティングの事業化に向けて、まずは何に取り組まれたのですか?

そもそもフィットネスクラブは運動をして健康体を目指したりダイエットをする場所なのに、「食べないってどうなの?」と、ファスティングの栄養学に全く共感してもらえないのが一番の難点でした。根本的な考え方があまりにも違いすぎますからね…。そこで私自身がファスティングにチャレンジしてみることにしました。人にオススメするからには、本当に良いものかどうか知っておく必要がありますからね。すると大きな負担もなく体重が落ちていき、最終的には10キロの減量に成功し、見た目にも大きな変化があったんです。自分はもちろんのこと、スタッフたちもとても驚いていましたね。この時は、まさかこんなに効果があるとは思わなかったので、ビフォーアフターの「ビフォー」の写真を撮っていないんです(笑)。これは今でも後悔しています。この結果を持って再度社長に新事業の提案をしたところ、「ぜひやってほしい。フィットネスクラブの会員をはじめ、たくさんの方にファスティングの素晴らしさを伝えてあげてほしい」と、ようやく賛成してもらえることができました。やはり実際にその効果を見せられたことが大きく影響したようです。

事業化の決定後、どのような準備をされましたか?

まずは植物発酵飲料のメーカーが設けた機関で勉強し、ファスティングカウンセラーとプロフェッショナルインストラクターの資格を取りました。指導者としての資格を得た後、次に取り組んだのは事業計画の作成です。商品をベースに私のカウンセリングやサポートなどを加えてプランを練り、価格や売上目標を設定していくのですが、私はもともと数字に弱いので、社長のサポートを受けながらどうにかクリアしていきました。場所はフィットネスクラブを利用し、専用の機器なども特にありませんので、立ち上げに必要となる大きなものといったら商品の仕入れにかかる経費くらいでした。会社の事業の一つとしてスタートできたので、初期投資へのリスクは一からの創業に比べて大幅に回避されたと思います。

実際に創業されて現状はいかがですか?

友人からの紹介やお客様による口コミの効果で少しずつ利用者が増えており、売上は徐々に上がってきてはいますが、今のところまだまだで計画の半分くらいです。実際にスタートして見えてきた課題は、やはり認知度の低さですね。知られていないものを知っていただくことの難しさを痛感しています。私自身の変化を見ていただくことが理解への一番の近道だと考え、これまではFacebookなどのSNSやブログを通じて個人的な情報発信をしていましたが、ファスティングについての正確な知識を広く伝えるため、そして信用度を高めるためにホームページの開設準備を進めています。

今後の目標を教えてください。

アンチエイジングやダイエットはもちろんのこと、健康の促進にも大きな力が期待されるファスティングを通じて、より多くの方々に元気になっていただくことが一番の目標です。そして、売上の面でも会社にしっかりと貢献していきたいですね。具体的にはホームページを開設すること、そしてもっと積極的にセミナー活動を展開することです。ファスティングカウンセラーとプロフェッショナルインストラクターの資格に加え、昨年、妊活マイスターの資格も取得しましたので、今後は妊活セミナーの開催も予定しています。また、内面美容医学財団で3つの資格を取得した人だけが名乗れる、山口県内で唯一の「上級内面美容指導士」になることもできましたので、さらに幅広い方面へのアプローチが可能になりました。予防医学が医療費削減や健康寿命の延伸に繋がることを、しっかりと伝えていきたいと思っています。また社長から、宇部市の中心部に店舗を構えたほうがいいのではという提案もありましたが、今はこの場所でしっかりと基盤をつくる時期だと考えています。今のところ全く考えてはいませんが、ファスティングの認知度が上がり、需要が高まったら、次のステップとして独立店舗もありうるかもしれませんね。

現在のワークライフバランスはいかがですか?

気持ちは圧倒的に仕事に向いていますが、やっぱり子どもたちのこともありますので、仕事7割、プライベートが3割といったところでしょうか。仕事にPTA活動に地域活動に…と、今は時間があればあるだけ予定を入れ込んでしまって、常に動き回っているという状況ですが、疲れを感じることはほとんどありません。むしろ楽しくて仕方ないくらいです。何がしたいのか、何をするべきなのかを自分で考えて、その考えに沿って自由に行動できることに充実感を覚えているのだと思います。

事業を立ち上げて良かったことは何ですか?

ファスティングをしたことで、より一層輝いていかれる方々をすぐそばで見ていけることです。それと、いろんな出会いがあることですね。心と体を健康にするためにアドバイスをさせていただいておりますが、みなさまと接することで、逆に私の方が元気になっていると感じるくらいです(笑)。また、いろんなところに行って、いろんなことを学べるのも楽しいですね。

現在創業をお考えの方にアドバイスをお願いします。

困ったことがあったら一人で抱え込まずに誰かに相談すること、頼ることをおすすめします。課題に向き合うことから逃げるということではありません。不得意なことに力を使い過ぎて、その他のことができなくなってしまったらもったいないので、その道に優れた方からアドバイスをもらったり、サポートを受けたりした方がいいという意味です。私自身も数字が苦手なので、そこの部分は社長にサポートしてもらっています。どんなに高いハードルでも困難な問題でも味方になってくれる人は必ずいます。「お任せできることは思い切ってお任せする」、それくらいの気持ちで挑んでみてください。