創業者紹介
Lovely Jubbly
パーキンス 星和
Perkins Hoshina
地産地消のイギリス焼き菓子と
「素敵なお茶の時間」を
一人でも多くの人に届けたい。
パーキンス 星和33years old
Perkins Hoshina
山口県萩市出身。高校卒業後、大阪の製菓専門学校へ進学。その後、東京の洋菓子店やパン屋などで幅広く実務経験を積む。イギリス人の夫の実家を訪れたときに、伝統あるイギリス菓子とティータイム文化の魅力を知り、イギリス焼き菓子の専門店を開くことを決意。そして2022年12月に、体にやさしい素材を使ったイギリス焼き菓子を販売する「Lovely Jubbly」を山口市にオープン。
Lovely Jubbly
創業:2022年12月
住所:山口県山口市中市町6-2
HP:https://www.instagram.com/lovelyjubbly_bakery/
これまでの経歴を教えてください。
中学生の頃からの「いつか洋菓子店を持つ」という夢を叶えるために、高校卒業後は大阪の製菓専門学校に進学しました。その後上京し、洋菓子店でパティシエをしたり、パン屋で製造に携わったり、事務職について経理や総務をしたりと、洋菓子店の経営に必要と思えるものに次々と挑戦しました。そして2020年に、これまで培った技術や知識を活かして腕試しをしてみようとシェアキッチンで洋菓子店をオープン。同時に通信販売も始めました。多くのお客様から「おいしい!」と言っていただけたこと、全国各地に顧客ができたことで自信がつき、創業することを決めました。
なぜ山口市で創業されたのですか?
以前から、落ち着いた田舎で子育てをしたいと思っていたので、生まれ育った山口県に戻って創業するのが一番だと考えました。山口市での創業を決めたのは、商圏人口の多さと両親が住む萩市からアクセスしやすいというのが大きな理由です。
数あるスイーツの中で、イギリス焼き菓子を選んだ理由を教えてください。
夫の実家で義母が作った焼き菓子を食べたときに、あまりのおいしさに感動したからです。イギリスではどの家庭でも毎日焼き菓子を作り、一日に3回はティータイムを設けてゆったりと過ごします。イギリス焼き菓子と一緒に、そのようなのんびりとした時間も提供できたら素晴らしいなと思いました。
「Lovely Jubbly」はどのような店ですか?
地産地消を目指したイギリス焼き菓子とともに「素敵なお茶の時間」を提供するお店です。地産地消にこだわろうと思ったのは、山口県が、沿岸部と中山間部の旬の食材がすぐに手に入れられるという恵まれた環境にあるからです。また、子どもが毎日食べても安全で素朴なお菓子を提供すれば、同じように子育て中のご家庭にも喜んでいただけるのではという思いもありました。ちなみに店名の「Lovely Jubbly」は、料理が出てくるときに使われるイギリスの俗語で、「素晴らしい」や「かわいい」という意味があります。
創業にあたり、どのような準備をされましたか?
まずは東京都千代田区にある「やまぐち暮らし東京支援センター」に相談に行きました。そこで「Uターンしてお店を開きたい」ということを伝えると、やまぐち産業振興財団をご紹介してくださり、その流れで「やまぐち創業補助金」の情報を得ることができました。そこからは、補助金申請に必要となる事業計画書の作成に追われました。
事業計画書の作成はいかがでしたか?
書き進めていくうちに、やりたいことや課題が明確になり、創業後の指針がはっきりとしていったので、創業をお考えの方は必ず事業計画書は作成した方がいいと思いました。経営者にとって創業がゴールではなく、そこからいかに事業を継続するかが大切だということ、そのためには、中長期的なプランが必要ということが理解できたのは大きかったですね。申請期限まであまり日がなかったのでとても大変でしたが、なんとか完成させ、無事に創業補助金をいただくことができました。サポートしてくださった方々には心から感謝しています。
山口県産食材の仕入れ先はどのように開拓されたのですか?
東京にいたときにお付き合いさせていただいている山口県内の仕入先と、今も変わらず取引を続けさせていただいてます。こちらに来てからは、地元の知人や友人からの紹介や情報で、新たな仕入先も増えました。レモンはあの農家、栗はあの農家、ブルーベリーはあの農家…と個別で仕入をする分、手間はかかってしまいますが、全て自分がいいと思える焼き菓子作りのためなので、全然苦ではありません。それよりも、よりよい食材を求めて、もっと開拓していきたいという気持ちの方が大きいですね
創業後、現在の状況はいかがですか?
すでに何度も購入してくださるお客様がいらっしゃるなど、思っていた以上に順調な滑り出しです。焼きたてのスコーンの匂いに誘われて、ふらっと寄られる方も多いですね。東京との一番の違いは、人と人とのつながりの深さと強さだと思います。お客さまが宣伝してくださるおかげで、インスタグラムのフォロワー数が想像以上のペースで増えています。これは東京では経験しなかった現象です。とはいえ、オープンしてまだ2週間しか経っておらず、まだまだ手探りのことだらけといった状況です。できるだけ早く自分のペースをつかめるように、頑張っていきたいです。
創業してよかったことと、大変なことを教えてください。
よかったことは、お客さまとしっかりとコミュニケーションがとれることですね。シェアキッチンを利用していたときには、あまり会話を楽しむことができなかったので、そこが一番の違いです。大変なことは、提供する焼き菓子の種類や値段、営業日、営業時間、店内装飾など、全てのことを自分で決めないといけないことです。自分の好きなようにできる分、責任も伴うので慎重になってしまいます。
今後の目標を教えてください。
走り始めたばかりなので、今はとにかく経営を安定させ、継続していくことだと思っています。将来的には、古民家を改装して、キッズルームや座敷も備えた誰もがゆっくりとティータイムを楽しめる空間を作り、最終的には焼き菓子に加えてランチプレートも提供していきたいですね。そして通信販売にも力を注ぎ、山口県産の食材のおいしさを県外、海外に発信できる存在になれたら嬉しいです。
創業をお考えの方にアドバイスをお願いします。
自分一人でやろうとせずに、まずは自治体の窓口に相談してみることをおすすめします。私は「やまぐち暮らし東京支援センター」を利用したことで、創業前はもちろんのこと、創業後も引き続きサポートしていただいているのでとても心強いです。それと最初から無理をしないことも大切です。自分が辛くなってしまったら、商品やサービスに悪い影響が出てしまうと思います。ぜひ自分のペースで創業を目指してください。