創業者紹介

ジダイオ税理士事務所

清水敦也
清水 唯

Atsuya Shimizu
Yui Shimizu

目指すは「まちづくり」企業。
事業承継に特化した税理士事務所の創業で
山口県の課題を解決したい。

清水敦也/清水 唯
27years old/33years old

Atsuya Shimizu / Yui Shimizu

敦也さんは山口市秋穂出身、唯さんは愛知県名古屋市出身。ともに東京で税理士業務に携わり、中でも事業承継のスキルを磨く。2020年1月、山口県の課題である事業承継をサポートすべく、事業承継に特化した「ジダイオ税理士事務所」をUターン創業。
 
ジダイオ税理士事務所
創業:2020年1月
住所:山口市米屋町2-7
HP:https://jidaio.com

山口市秋穂出身の清水敦也さんは地元の高校を卒業後、県外の大学・大学院を経て、東京の税理士法人に就職。主に事業承継案件を経験しながら税理士としてスキルを磨いていました。そんな時、山口県は事業承継が課題であることを知り、「自分のスキルを活かして地元に貢献したい」という新たな夢を見つけました。そんな敦也さんは、2020年1月、税理士事務所で経験を積んでいた妻・唯さんとともに山口で「ジダイオ税理士事務所」を創業。オンリーワンの税理士事務所を目指す清水さんご夫妻に、創業までの道のりや現在の状況、今後の展望についてお聞きしました。

これまでの経歴を教えてください。

敦也さん:地元の高校を出て、愛知県内の大学、大学院に進学しました。卒業後は、東京にある税理士法人に就職し、主にコンサルティング業務、中でも事業承継を中心に年間50件ほど担当していました。
唯さん:私は愛知県名古屋市の出身で、大学在学中に夫と出会いました。私も卒業後は東京の税理士事務所に就職し、事業承継の部署で税務顧問をしていました。別の会社ではありますが、偶然にも夫婦二人そろって事業承継をメインでやっていました。

どうしてUターン創業されたのですか?

敦也さん:税理士として着実に経験を積んでいたのですが、山口県でも事業承継が課題となっていることを知り、私たちの経験やスキルを活かすには、今が良いタイミングなのかもしれないと思い、3年を過ぎたあたりから山口へ帰りたい気持ちが強くなり、妻に相談しました。
唯さん:結婚当初から、いずれは山口に帰ると聞いていたのである程度覚悟はしていましたが、「正直、たった3年でUターンは早いのでは?」と思いました(笑)。Uターンを決めてからは、東京の有楽町にある「やまぐち暮らし東京支援センター」を訪ね、いろいろとお話を聞いたり、セミナーに参加したりしました。
敦也さん:山口県の現状を知ったことで事業承継業務を通じて地元に貢献したいという気持ちがとても強くなりました。実は、事業承継が得意な税理士はあまり多くありません。所得税や法人税、相続税などのほか、会社法や民法などの法律についても横断的な知識が求められるのがその理由です。その点、私たちは二人とも事業承継を専門としてきたプロフェッショナルですから、きっとお役に立てるだろうと。山口市や(公財)やまぐち産業振興財団の方から事業承継に関わる具体的な事例や相談件数を聞き、「事業承継に特化した税理士事務所」としてほかと差別化すれば勝算があると考えました。

創業に向けてどのような準備をされましたか?

敦也さん:創業するにあたって「やまぐち創業補助金」を活用したのですが、その申請に必要な事業計画書の作成が思いのほか大変でした。これまでプロとしていろんな会社の事業計画を立ててきたのですが、作成する側の立場になってみなさんが苦労するポイントがよく分かりました。専門家のサポートが必要だということ身をもって知ることができた、非常にいい経験になりました。
唯さん:Uターン創業は、開業の準備だけでなく住居も並行して探さないといけないので結構大変でした。東京〜山口間を何度も往復しましたが、「YY!ターン支援交通費補助金」を活用したので、交通費がかなり軽減され本当に助かりました。こういった制度はUターン希望者にとってとてもありがたいですね。ほかには、後々お仕事につながりそうな方々をご紹介いただいたり、創業や事業承継を予定されている方たちのセミナーや会合に顔を出したりと、人脈づくりに奔走しました。

創業資金の主な使い道を教えてください。

敦也さん:創業資金は、自己資金と金融機関からの借入、それと補助金で準備しました。それぞれが使用するパソコンや会計ソフト、プリンターなどの実務に必要な備品類の購入費が主な使い道です。
唯さん:中でも自動車の購入費は大きかったですね。山口県で事業をするには絶対に自動車は必要ですから仕方ないんですけど…。また、「やまぐち創業応援スペースmirai365」も拠点の一つとして活用させていただいています。
敦也さん:住居の家賃に関しては、「UJIターン若者創業時賃貸住宅補助金」を活用しています。山口市内で創業する45歳未満のUJIターン者で、しかも市内に住む人が活用できる補助金です。月に1万円、最大24ヵ月受けられます。山口県はUJIターンや創業に対するサポートがかなり充実しているのでとても助かりました。

創業時にどのような宣伝活動を行われましたか?

敦也さん:自社ホームページを開設しました。これからは、地域のフリーペーパーに定期的に広告を出していく予定です。将来的にはSNSを使った情報発信も考えていきたいですね。
唯さん:数々の会社の数字を見てきましたが、「経営」自体は未経験のことなので、どういった宣伝方法がいいのか、どのようなツールを利用すべきなのかなど戦略を考えるは初めての体験となります。ですから、東京で開催されたセミナーで「mirai365」の存在を知れたのは本当にラッキーでした。困ったことがあったら、インキュベーターやスタッフの方にいつも相談しています。ホームページ制作の際には、いろいろなアドバイスをいただいて大変助かりました。

創業されてこれまでの現状はいかがですか?

敦也さん:おかげさまで、顧問契約に関しては、引き続き担当させていただいている東京のお客さまに加え、新規契約済みのお客さまも数件いらっしゃいます。2020年1月に創業したばかりなので、本当にまだまだこれからです。山口県、山口市、(公財)やまぐち産業振興財団mirai365などみなさんがフォローアップしてくださるので、そのサポートを活かしてしっかりと基盤を築いていこうと思っています。
唯さん:ありがたいことに「一度話を聞きたい」「紹介したい会社がある」など、方々からお声がけいただいています。まずは一つひとつ丁寧に対応していくところから始めていこうと思います。そして、金融機関を対象とするセミナーを開催して、自分たちの強みである「事業承継が専門」を打ち出し、さらなる顧客獲得に努めていこうと考えています。

創業して良かったことを教えてください。

敦也さん:会社員時代は上司の判断を仰がないと動けませんでしたが、今は自分のペースで進めることができるのでストレスが軽くなりました。また、私個人を知って依頼してくださっているので、以前に比べて「自分の仕事」という感覚がより強くなりました。
唯さん:会社員時代は日付が変わってから帰宅することが当たり前でした。現在は、日々追われている感覚から完全に解放され、ゆとりある暮らしを楽しんでいます。家庭とのバランスをとりながら、自分のペースで働くことができるのは、起業したからこそのメリットだと思います。また、大きな組織では関われなかった案件に携われるようになったことも創業して良かった点ですね。

今後の展望を教えてください。

敦也さん:ジダイオ税理士事務所は、ただの税理士事務所ではなく、地域の発展に寄与する「まちづくり企業」でありたいと考えています。ですから、事業承継に特化した税理士業務に加え、会計をベースにした教育事業を展開し、次世代を担う若者の育成にも力を入れていきます。具体的には、小中高生には、思考力トレーニングや会計思考トレーニング、簿記資格対策講座、職業体験を行います。企業経営者の方には、従業員様向けに簿記・会計の社内研修を行っていければと考えています。
唯さん:事業承継のためには、事業を正しく引き継いでくれ、さらに発展させてくれる人材が必要です。ですので、思考力や表現力を身につけ、主体性を持って行動できる人材の育成も同時に行っていく必要があると考えています。
敦也さん:今はまだ雇用する余裕はありませんが、いずれはスタッフを入れて「事業承継を得意とする税理士」も育てていきたいですね。ジダイオに所属するのは5〜10年程度で、スキルが身についたら卒業してもらうなど、これまでの税理士業界にはない新しいスタイルにも挑戦してみたいですね。

最後に、現在創業をお考えの方にアドバイスをお願いします。

唯さん:事前準備にしっかりと時間をかけることをお勧めします。私たちは創業までの準備期間が短かったので、もっとしっかりリサーチして、事業計画も慎重に練るべきだったかなと反省しています。遠方にいたので仕方ない部分もあるのですが、もう少し山口に足を運んで、どんなお客様がいるのか、ニーズはどこにあるのかなど調査しておけば、不安なく創業することができたんじゃないかと思います。
敦也さん:まずは一歩踏み出すことをお勧めします。山口県は、創業に関するフォロー体制が大変充実しているので、不安なことや困ったことがあったら、気軽に相談してみるといいと思います。理念や想いに共感してくださる方々に出会えることを願っています!