創業者紹介

悟空GOKUH

戸谷 瞳

Hitomi Totani

ドローンの可能性に挑戦したい!
創業はたくさんの出会いをもたらし、
切磋琢磨することの喜びを実感できる。

戸谷 瞳55years old

Hitomi Totani

長崎県出身。教員養成所を卒業後、福岡県内で小学校の教員や塾の講師などの教育関係の仕事に携わる。その後、夫が建築設計デザイン会社「戸谷悟デザインオフィス」を設立するのに伴い、全く経験のなかったコンピュータデザインの世界へと転身。約25年間、コンピュータグラフィックやCAD(computer-aided design)のスキルを磨く。2017年に夫の地元・山陽小野田市へ移住。2018年9月に、ドローン事業を本格化させるために「悟空GOKUH」を創業。
 
悟空GOKUH
創業:2018年9月
住所:山陽小野田市赤崎4-7-13
HP:https://gokuh-drone.com

教員養成所を卒業後、福岡県内で小学校の教員や塾の講師など教育関係の仕事をしていた戸谷瞳さん。夫が建築設計デザイン会社「戸谷悟デザインオフィス」設立したことを機に、これまで全く経験のなかったコンピュータデザインの世界へと転身。それから約25年に渡って、コンピュータグラフィックスやCAD(computer-aided design)等のスキルを磨きます。「ドローン事業」を本格化するために、2018年9月に「悟空GOKUH」を創業した戸谷さんに、創業までの経緯や創業後の苦労、今後の目標などについてお聞きしました。

これまでの経歴と創業のきっかけを教えてください。

福岡県で小学校の教員や塾の講師など教育関係の仕事に携わっていたのですが、夫が「戸谷悟デザインオフィス」を開業するタイミングで、建築に関する勉強を始め、そこから25年間、夫の事務所でコンピュータグラフィックスとCAD(computer-aided design)を担当していました。2017年に夫の出身地である山陽小野田市に移住しましたが、現在も福岡県での仕事が多く、月に何度も通っているような状態です。ドローンによる空撮は、夫のラジコン好きが高じて4年くらい前から始めました。「戸谷悟デザインオフィス」の業務内容は徐々に拡大し、今では設計、3DCG、写真撮影、ドローンと多岐にわたります。中でも今後大きな需要が見込めるドローン事業に力を入れたいと考えたのですが、そこで一つ問題がありました。インターネットで「ドローン 山陽小野田市」と検索するのに、ヒットしたのが「デザインオフィス」でいいのかと…。ならばいっそのこと別会社にした方がいいのではということになり、私が代表に就任して悟空を創業することになりました。

創業前にどのような準備をされたのですか?

山陽小野田市には全く人脈がなかったので、まずは小野田商工会議所の会員になって、地元の方とのつながりをつくるところからスタートしました。小野田商工会議所では、事業計画書作成のアドバイスや、さまざまな融資についての情報を教えていただきました。ドローンスクールで使用する機体や備品は、ご紹介していただいた中小企業振興資金(起業家支援資金)を使って購入しました。今でも商工会議所の担当者と相談に乗ってくださった中小企業診断士の方には、とても感謝しています。

事業計画書を作るのに大変だったことはありますか?

「ドローンで何ができるのか?」とアイデアを絞り出すのが大変でした。福岡で大成功したドローン教室を中心に事業を展開していけないだろうかと思い、地元の公民館の元館長をされていた方にお話を聞いてみたところ「ドローン関連の教室やイベントをやって欲しいという声はちらほら聞くけど、多分人は集まらないよ」と言われました。実際に小野田商工会議所の会報誌に、スクール生募集のチラシを1,000部折り込んでみたのですが、問い合わせは1件もありませんでしたね。そこで、周りの環境や夫が得意とする設計やデザインを考慮し、工事現場の着工から竣工までの空撮、ドローンを使ったビルの点検や測量と3次元化、さらにはドローンによる農薬散布などスマート農業への取り組みを事業計画に加えていきました。そこに至るまでは本当に大変でしたね。

ドローン事業で創業するために必要な資格などはあるのですか?

人口集中地区などでドローンを飛ばす場合には、国土交通省の許可が必要となりますので、まずは、夫と一緒にその資格を取得しました。現在は、日本全国どこででも、通常飛行はもちろんのこと、夜間飛行や目視外飛行を行うことができます。また、一般社団法人日本ドローン協会(国土交通省認定管理団体)の第一号の認定インストラクターの夫は、ラジコン操縦士、アマチュア無線技士、陸上特殊無線技師、無人航空機従事者試験1級の資格も取得しています。

創業後、苦労されたことや大変さを実感されたことはありましたか?

第一に直面した問題は、「飛ばす場所がない」という現実です。山陽小野田市では「前例がない」という理由から、気軽に場所を確保することができず、実践での経験を積むことが難しいという状況です。検定は体育館を借りれば十分できますし、実習は親戚の私有地を使わせてもらう予定なので全然問題はないのですが…。私が所属している大分県杵築市にある日本ドローン協会の本部は、廃校になった学校を、市長自らが使用して欲しいと申し出てくださって実現したものです。また北九州にもドローン特区などが設けられるなど、最近はドローンの活用に積極的な地方自治体が増えてきています。まだまだ山口県では、ドローンについての理解が浅く、浸透していないことを身をもって感じましたね。

創業後の現状はいかがですか?

全く予定通りではありませんが、「ゼロではないから良し」と今のところは思っています。山口県におけるドローン自体の認知度の低さを考えると、仕方のないことなのかなと(笑)。福岡県では、結婚式場や大学のプロモーション動画、大手銀行研修施設の竣工写真の空撮、100人以上が参加したドローン教室の企画運営といった多数の実績がありますが、山口県内では2018年にコンペで獲得した大学の周年プロモーション動画の1件のみです。今年はこれを弾みにして、県内での受注をもっと増やしていきたいですね。また現在は、国交省登録JDA(日本ドローン協会)認定ドローン資格の検定会を実施すると、県外から受講される方がほとんどという状況なので、ホームページの内容をさらに充実させたり、Facebookページを開設したりして、山口県内のドローンへの興味・関心をもっと高めていく必要があると考えています。

創業して良かったことはありますか?

ドローンを通じていろいろな方と出会えたことですね。中でも、各分野のプロフェッショナルが所属する日本ドローン協会会員のみなさんとの交流は、大きな刺激になっています。もう一つは、ドローン体験教室や親子教室で、キラキラと輝くみなさんの笑顔を見られることですね。お子さんよりも親御さんの方が熱中されて、質問攻めに合うなんてこともよくあります(笑)。その様子を見てるとこちらまで嬉しくなってきます。あとは、会社員と違って自分の好きなように時間が使えることでしょうか。この業界はどうしても不規則な生活になりがちなのですが、今は自分のペースで仕事をすることができています。

今後の目標を教えてください。

いよいよ本番という気持ちでいます。やっとホームページも開設できましたので、今後はチラシを配布したり、地元のタウン誌に広告を出したりなど、積極的に露出を図り、知名度を上げて受注につなげていきたいです。また、引き続き屋外でドローンが飛ばせる場所の確保にも尽力していきます。また新たな事業展開として、これまでのドローンとは異なって、音が小さく、対象物に接近できるマイクロドローンを導入して、人物のプロモーションなども手がけたいです。極力落ちにくく、万が一落ちても安全なドローンの開発にも携わりたいとも思っています。その他には、小学校で始まるプログラミングの授業に、ドローンを活用することを行政に提案していく予定です。ドローンとプログミングの相性の良さについては、ドローン体験教室を多数実施した経験から実感していますので、ぜひ山口県で実現したいですね。さらには、観光や産業などでも、ドローンを活用して山口県を盛り上げていければと考えています。…やりたいことだけは満載です(笑)。

これから創業される方にアドバイスをお願いします。

これから自分が創業しようとしている事業について、徹底的に調査し、研究し、その分野の中で「これだったら誰にも負けない!」という強みをつくることをおススメします。これはどんな業種にもいえることで、同業者がずらっと並んだ時に、光る何かを持っていなければ生き残ってはいけません。また、創業を決めたら何もかもを一人でやろうとはせず、同じ志を持つ仲間を見つけることも大切です。仲間がいることで、刺激を受けたり情報を共有したりしながら共に成長することができます。そして「自分さえ良ければ」という気持ちを捨てて、業界全体の発展を俯瞰で見渡すぐらいのつもりで取り組んでいくといいと思います。

※200g以上のドローンの撮影には国土交通省などの許可・承認が基本的に必要となります